ニューイングランド ワシントン 大阪 ニューヨーク マニラ ボストン テキサス州 トンド フロリダ州 ジャパン ナポリ アーカンソー州 富士山 バシー海峡 ハバナ 東京 浦賀

職業だった。英語が、また、一風変っていて、ニューイングランドや英国の言葉に馴染みの深い僕には、分らぬことが度々あった。

Ｎはワシントンで新聞記者をしていた。といったところで、僅か六ヶ月のリポーター

来た。一月二十七日〔昭和二十一年〕の朝日新聞（大阪）「声」欄の投書中に「年齢的にも知的にも世情に通ずる点

どうも面白くない。もっとも、内地といっても、東京と大阪の表口ばかりしか知らないのだから、まだまだ悲観しては早すぎるのかも

名前を変えた。それから戦争が終った年の冬、ニューヨークのメトロポリタン劇場でワグナーのオペラをやることになったら、制服の水兵が正面入口

とはいえないではないか。これについては、ニューヨークの有名な神学校を出たという軍の通訳、某に質問したところが

アパリから南下し、もちろん途中で河はなくなってしまうが、マニラにまで行っている。アパリから約二十キロにラロがあり、さらに二十キロ南下

というと、その人達は今日明日にもサン・ホセ経由でマニラに送られるが、あなたも用が済んだらすぐ一緒になれるようにしてあげる

、僕はアパリの収容所で初めて知ったのである。マニラで沢村勉君〔シナリオライター、当時報道班員としてマニラ在〕にすすめられ

マニラで沢村勉君〔シナリオライター、当時報道班員としてマニラ在〕にすすめられて一緒にこの映画の特別試写を見て、監督ジョン・

ては、もう一つ HOW GREEN WAS MY VALLEY を、これもマニラで見た。「タバコ・ロード」と「怒りの葡萄」もフォードが手がけた

の婦女子の中には、どこをどう歩いてか、マニラから来た女もいたが、その大部分は北部ルソンの、例えばツゲガラオや、

、埋葬すると日本人が怒るからだと答えたという。マニラでの暴行から、さかのぼってはいわゆる「南京のレープ」に関する新聞記事まで想起

は「死の行軍」については何も知らず、マニラがどんなになったかも見ていないから、あなたの言葉をそのまま信用

来た。十月二十六日、あしたはこのストケードの全員がマニラへ移される、病人や婦女子にとっては、十数時間もトラックでゆられ、

とっては、十数時間もトラックでゆられ、さらに無蓋貨車でマニラへ行くことは、とても大変だから、ＬＳＴ〔戦車揚陸艦〕で海路マニラへ

は、とても大変だから、ＬＳＴ〔戦車揚陸艦〕で海路マニラへ送るようにする、そのことを伝えよとの命令が出た。何という

が出た。何ということなくストケードは活気づいた。マニラへ行くということは日本へ帰れることを意味する。南へ下るのは、

僕の乗っていたＬＳＴと僚艦とは、マニラで水や食料を積込んだ上、東海岸のカシグランという所へ向うことになっ

は行って見ての上のことだという話で、マニラを出港したのである。僚艦にも通訳が一人乗りこんでいた。

マニラから南下して、ルソン島の南端を通った。天気のいい日もあり、

のである。そうでなかったら、僕の比島生活は、マニラだけで終ったことであろう。

なのである。僕は昭和十八年の一月十八日マニラに着き、一月二十九日にタガログ語の先生に紹介され、二月一日

にでも住めば、タガログ語も上手になったろうが、マニラで英語のよく出来る人達とばかり交際していたもんだから、その点

ていると、今度は「お前は英語が分るらしいが、マニラに三年しかいなかったにしては、よく英語が分るようになった

の、極めて静かな人で、もういい年だろうと思う。マニラに着いて上陸しようとしている時、僕の所へ来て、「君

十一月の十一日にマニラに帰り着いた。入港するとみんな忙しい。碌に挨拶をする時間もなく、トラックで

な訊問をした。変名を使ったことはないか、マニラでは何をしていたか等のことを聞かれた。翌朝四人

た上、一千五百名のＰＷの群と一緒に無蓋貨車でマニラへ送られた。僕よりも早く入所した人々がまだ多数残っているの

と婦女子と一般将兵とは、二艘の上陸用舟艇で、マニラに送られることになった。それまでに、陸軍はいいが海軍は乱暴で

アパリからマニラまでは二晩かかった。その二晩目、つまり明朝はマニラに入港すると

までは二晩かかった。その二晩目、つまり明朝はマニラに入港するという時、ＡＳが僕に「君はコーヒが好きか」と

アパリから来た人々は全部マニラで上陸したが、僕は二十名あまりの兵隊が使役のために残るの

。上陸用舟艇は防波堤の外に出て行き、そこから僕はマニラの市街を眺めた。大きな建物はほとんど全部残っているし、小さい建物はある

し、小さい建物はあるのか無いのか見えないから、マニラは以前と同じような外見を呈している。港務所、市役所の塔、さて

海岸通に並ぶ高級アパート等を見やって、僕はかつてのマニラ生活を思い浮べた。

、それだけでも充分だったが、十一月とはいえマニラは暑く、おまけに海水の照り返しがきびしかったので、使役の兵隊はよろこんで

数日後、再びマニラに入港した時、僕はこれ等の品をＰに返そうとした。

Ｇ中尉はボストンの人で、Ｍ大学の二年の時、陸軍に入った。一体僕は

名が示す通り、彼はメキシコ人で、国境を越したテキサス州にうつり、米国市民になったのである。僕は通訳として彼と

仕事が終って、船は再びトンドの海岸についた。艦長は仕事をした時間をタイプで打って、これ

ＤＤＴは DICHLORO-DIPHENYL-TRICHLOROETHANE の略称である。一九四二年、フロリダ州のオルランドで、陸海軍と農林省とが――それも極めて少数の軍医と昆虫学

て、十数年前、我が国名を英語でいう場合、ジャパンをやめてニッポンにしようという話がまとまった時、タイムス東京特派員のヒュー・

試験を始めたが、結果が良好なので、北アフリカ、ナポリ等の戦線で使用し、サイパン島では、上陸前に、飛行機からこれを

については実際の数が分っている。一九四四年、アーカンソー州のスツットガート市で、一八平方マイルの地域にＤＤＴを撒布した。スツットガートは蚊

である。静かな波が打っている。沖合はるかには富士山のような形をした島がいくつか浮んでいる。何といういい場所

。すると左手に、まっかな夕焼の空を背景に、富士山よりも、もうすこし鋭い斜面を持つ、完全な円錐形の山が見えた。

いないから若干説明する。ルソン島の北端、アパリ近くでバシー海峡に流れ入る大河がカガヤン河。カガヤン渓谷――黒部渓谷などを連想しては大変な

。三年あまり比島煙草ばかり吸っていたのだが、ハバナはやはり軽くてうまい。そんなことはどうでもいいが、毎日御馳走になって

後で聞いたことだが、対米宣伝放送をやった「東京のバラ」嬢というのが、盛んにこんなことをいったそうである

をやめてニッポンにしようという話がまとまった時、タイムス東京特派員のヒュー・バイヤス氏が、一体ジャパニーズの略称のジャップと、当然出来ると

て、どうも面白くない。もっとも、内地といっても、東京と大阪の表口ばかりしか知らないのだから、まだまだ悲観しては早すぎる

とも思わぬ人達。昭和二十年十二月二十一日、浦賀港の入口で、五十一歳の僕はさめざめと泣いた。

は甲板に出た。目の前に、水をへだてて浦賀の火が見える。眼鏡がこわれてしまったので、灯火はうるんで瞬い

ても何もいわないし、僕も黙っていた。浦賀で上陸する日の朝、さよなら！　といっただけである。だが