木乃伊の口紅 / 田村俊子
地名一覧
小石川
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は、何うにもその融通の出來ない見極めをつけると、小石川の友達のところへでも行つてくるより仕方がないと思つたみのるは好い
を何所から借りたのかと聞いたけれども、みのるは小石川から借りたとは云はなかつた。舊の學校の友達から然うした外見
天王寺
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櫻と、夕暮れの空の濃い隈をいろどつてゐる天王寺のあたりを、みのるは涙を溜めながら行つたり來たりした。
王子
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なつた。義男の休み日には小犬を連れて二人は王子まで青い畑を眺めながら遠足する事もあつた。紅葉寺の裏手の流れへ犬
行田
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日暮里の方へ歩いて出た。みのるは歩きながら酒井や行田のやらうとしてゐる新劇團へ入るつもりの事を話した。行田は
清月でみのるは酒井にも行田にも逢つた。何方もみのるの見知り越しの人であつた。酒井といふ
行田も酒井もいつも朝早く定めた時刻までには出て來てゐた。そう
上野
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晴れた日ならば上野の森には今頃は紫いろの靄が棚引くのであつた。一日森の
ある晩二人は上野の山をぶら/\と歩いてゐた。櫻の白い夜の空は
向島
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思ひ込んでゐた。そうして船で毎日の樣に向島まで通つたみのるは行くにも歸るにも渡しの棧橋に立つて、滑か
崩れさうな形になつてゐた。義男は口を極めて向島の師匠を呪つたりした。さうして却つてこの人に捨てられた
選をした内の一人に向島の師匠もゐた。その人の點の少なかつた爲に、みのるの
日暮里
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二人は崖をおりて踏切りを越すと日暮里の方へ歩いて出た。みのるは歩きながら酒井や行田のやらうと