貝殻追放 013 先生の忠告 / 水上滝太郎

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大阪

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して、文學談ばかり持ちかけるので、それでは此頃大阪に來てゐる水上に紹介してやらうと云つて、下宿の所在迄教へ

をして居るものと推測してゐるらしかつた。恰も大阪の不良少年が、あの大阪式の言語道斷に俗惡な酒場で、毎晩

たつた一人で散歩するのを好む自分は、馴れない大阪の市中を地圖を懷にして歩き※つてゐたが、さうと

平生自分が、大阪特有の安音樂の絶間なく奏されてゐる酒場を、口を極めて罵倒して

「私がそれ程熱心なら爲方が無いから大阪の家をたたんで、私の卒業する迄東京に住むと云うてなはります。

何時の間にか夏を迎へたのである。暑い暑い大阪の貧乏下宿の二階で汗を流して暮してゐると、豫て惱み勝

道頓堀

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と幾度も念を押した上で、彼は道頓堀の北河岸の西洋料理屋兼カフヱに自分を連れて行つた。

東京

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してゐる傾向があつた。その文士の集まつてゐる東京では、年が年中寄合ひがあつて、賑かな生活をして居る

が無いから大阪の家をたたんで、私の卒業する迄東京に住むと云うてなはります。」

我慢し切れなくなつて休暇を貰つて數日中に東京へ歸り、入院して治療を受けようと考へてゐた。

によつては曾て自分も其處で教育を受けた事のある東京に息子と共に家を構へて、その成業を待つてもいいと

文學の儲けの少い事、大概はマイナスになる事、及び東京へ遊學に出す事の出費と危險を雄辯に説いた。聞いて

つて息子の不平を抑へつけてから、或る知人の子は東京帝國大學の哲學科を出て年三十にして未だ親の脛を