三の字旅行会 / 大阪圭吉
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駅は、大阪だったり、静岡だったり、神戸だったり、名古屋だったり、いや全くバラバラで、一定の地方からなんてやって来たものでは
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毎日、その婦人客達から受取った切符の発行駅は、大阪だったり、静岡だったり、神戸だったり、名古屋だったり、いや全くバラバラで、
どえらい先生なんだ。それで、この万年筆屋は、大阪に工場を持っているんだ。昨年あたりまではこの万年筆屋は、大阪の
持っているんだ。昨年あたりまではこの万年筆屋は、大阪の工場から何万本という万年筆を時々まとめて送らしていたんだ。ところ
自分の手でやっている三角太郎氏は、今朝あたりもう大阪で捕まっている筈の、同類の『支部長』と一計を案じ出して、運賃詐欺
の赤インキで三の字のはいった荷札をつけ、まず大阪の『支部長』がそれを持って大阪駅で入場券を買い、お客を送るような
やれば、まず一回一日分何円とかかる筈の運賃が、大阪と東京の二枚の入場券、つまりたったの二十銭で事が足りるんだから
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た切符の発行駅は、大阪だったり、静岡だったり、神戸だったり、名古屋だったり、いや全くバラバラで、一定の地方からなんてやって
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客達から受取った切符の発行駅は、大阪だったり、静岡だったり、神戸だったり、名古屋だったり、いや全くバラバラで、一定の地方
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一日に何万という人を、出したり入れたりする大東京の玄関口である。一人や二人の奇妙なお客があったとして
あって、幾日滞在しようと、何処へ泊ろうと、いつ東京を引揚げようと、全く勝手で案内人も見送りしなくてもいいことになって
三の字のマークを貰って、それを手荷物へ着け、東京着三時の三輛目へ乗って、上京しなければならないので
地方に住っている両親のない三十歳以内の婦人で、東京方面へ旅行をしたいという人の為めに、汽車賃と滞在費と、
物質的には兎も角、親のない淋しい三十歳以下の婦人で東京へ旅行したい人達を、三の字会員として、三の字
しまったんだそうですよ。ところで、もうその頃、東京の父親は、幸運に恵まれて大変な金持になっていたんですが
三十の歳の三月に、とうとう病気に負けてしまい、東京へ行き度い行き度いと叫びながら死んでしまったんだそうですよ
もなったり軽くもなったりしたでしょうが、兎に角憧れの東京へ出て来る程の体にはなれず、殆んど病床にばかり暮して、
をそれとなく気づいてでもいたのか、しきりと東京の空を憧れるようになったんです。ところが悪いことには、三枝
、まず一回一日分何円とかかる筈の運賃が、大阪と東京の二枚の入場券、つまりたったの二十銭で事が足りるんだから、
で入場券を買い、お客を送るようなふりをして、東京へ三時につく列車の、三等車の三輛目の網棚へ乗っけ
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ことのあらましを申上げようかね。今日捕まったあの男は、神田の、或る万年筆屋の番頭で、三角太郎っていうどえらい先生なんだ