銀座 品川 新橋 東京

思ひますが、至つて小さな帽子を裏返しにしたやうな銀座の裏町に、澤山にあるバーのその一軒なんですけれど、女が

女達さへ、いとはしい者であつた。燈下管制の銀座の地下鐵で降り、また地下鐵で新橋まで歸つて其處から大森までの

から交番で査べて貰つたら、すぐ判るだらう、併し銀座の交番でそんな調べ物をする氣鬱なことは出來ない、彼女からは度々

でお店の所はもうお話してもいいわねといひ、銀座裏の店のありかを説明した。私にはその店の所在がすぐ

くらゐ作つて貰ふこともあつた。喫茶店の中に銀座にある出張店が一軒あつて、なりの高い緑色のあんどんのやうな

あることを考へに入れるやうになつた。私は娘と銀座に出たついでに彼女のゐる喫茶店に寄つたが、あんどん姫は入口の

この手紙の住所は品川區になつてゐて、住所は明記してあるがバーの所在がわざと

思はれますからお訪ねいたしたいと、書いてあつた。品川にも家を一軒持つてゐる點からうかうかした返事も送れないと

ひしたいとは思ひません、若しお許しがあれば品川の家からはお宅へは近いやうに思はれますからお訪ねいたしたい

。燈下管制の銀座の地下鐵で降り、また地下鐵で新橋まで歸つて其處から大森までの省線で家につくのだが、それで

になつた。去年の夏、輕井澤では用件のある東京からの客が相次いで現れ、用件後にはきまつて客を送り

ゆう一遍も笑はずに、喫茶店が締められる一週間前に東京にかへつた。入口の勘定の所の少女にたづねると、女の子は早見さち子

どれも笑はない顏ばかりであつた。歸京の荷物を東京の家で開くとこの四枚の寫眞が現れ、抽斗に入れてゐた