松戸 本郷 京都 神保町 銀座 新橋 東京

は最低の生活にみち足りていた。彼の姉が、松戸に、女給が二十人ちかくもいる大きなカフェーをやっていて、三平に支配人

であった。彼のオゴリは、新橋のコップ酒か、本郷の露店であった。

私自身が、影だけであった。そのとき、私は、京都にいた。独りであった。孤影。私は、私自身に、そういう

女は実家から金を持ちだして、私の下宿から遠からぬ神保町に店を買い、喫茶バーをはじめ、友人をローラクして、私をその

空襲のころ、神保町の古本屋を歩いていると、何年ぶりかで、三平に会った。

一人は通称「三平」とよぶ銀座の似顔絵描きであった。三平はアルコール中毒で、酒がきれると、ぶる／

た。それが彼の防空服装であった。戦争中も新橋のコップ酒屋に優先行列していたようだが、酒の乏しさに

私を訪ねてくるのであった。彼のオゴリは、新橋のコップ酒か、本郷の露店であった。

ヤマサンは私の行きつけの新橋の小料理屋の食客であった。左団次の弟子の女形で、当時、二十で

や、会社を廻って、似顔絵をかいてくるからネ。東京は、不潔だよ。物質慾、物をもつ根性が、オレはキライな