故郷 / 太宰治
地名一覧
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「あれは、岩木山だ。富士山に似ているっていうので、津軽富士。」私は苦笑しながら説明し
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を訪れようという計画であった。金木町というのは、五所川原から更に津軽鉄道に依って四十分、北上したところに在るのである。
たら、母は指を震わせながら握りしめた。枕頭にいた五所川原の叔母は、微笑みながら涙を拭いていた。
のとおり、お見舞いしてすぐに金木を引き上げ、その夜は五所川原の叔母の家へ一泊という事になっていたのだが、こんな
の仏間に案内された。床の間を背にして、五所川原の先生(叔母の養子)それから北さん、中畑さん、それに向い合って、
それでも、五所川原の先生が、少し酔ってはしゃいでくれたので、座敷は割に陽気だっ
北さんはその夜、五所川原の叔母の家に泊った。金木の家は病人でごたついているので、
ているので、北さんは遠慮したのか、とにかく五所川原へ泊る事になったのだ。私は停車場まで北さんを送って行った
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「景色のいいところですね。」妻は窓外の津軽平野を眺めながら言った。「案外、明るい土地ですね。」
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「あれは、岩木山だ。富士山に似ているっていうので、津軽富士。」私は苦笑し
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北さんはその夜、五所川原の叔母の家に泊った。金木の家は病人でごたついているので、北さんは遠慮したのか、
してくれる人は無い。「僕たちは今晩、このまま金木へ泊ってもかまわないのですか?」何かと聞いて置きたかった。
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を起して、廊下へ出た。寒気がきびしい。ここは本州の北端だ。廊下のガラス戸越しに、空を眺めても、星一つ
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翌朝八時、青森に着き、すぐに奥羽線に乗りかえ、川部という駅でまた五所川原行の
さんは、すぐにお帰りになったし、ことしこそ、青森の近くの温泉にでも御案内しようと、私たちは準備して来た
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ある。れいの、北さんと中畑さんとが、そろって三鷹の陋屋へ訪ねて来られた。そうして、故郷の母が重態だ
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いう小説に、くわしく書いて置いたけれども、北さんは東京の洋服屋さん、中畑さんは故郷の呉服屋さん、共に古くから私の
思うのです。去年の夏の事も、あとで兄さんと東京でお逢いしたら、兄さんは私にただ一こと、北君は人が
「あした東京へ帰ります。」
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二十七日十九時、上野発急行列車。満員だった。私たちは原町まで、五時間ほど立ったままだっ