春の枯葉 / 太宰治
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と二人で東京へ行ってしまった。よっぽど父は、この津軽地方には、いたくなかったらしい、と野中先生に聞かせていただきました。
、殊にも、わたくしの連れ合いは、御承知のように、この津軽地方の模範教員として、勲章までいただいて居りますし、それに、わたくしども
どだい、学問が無い。外国語を自由に読める先生が、この津軽地方には、ひとりもいない。外国語どころか、源氏物語だって読めやしない
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「四等国。北海道、本州、四国、九州。四島国。春が来た。滅亡か独立か。光は東北から
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「四等国。北海道、本州、四国、九州。四島国。春が来た。滅亡か独立か。光は東北から。東北
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津軽半島、海岸の僻村。
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「四等国。北海道、本州、四国、九州。四島国。春が来た。滅亡か独立か。
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「四等国。北海道、本州、四国、九州。四島国。春が来た。滅亡か独立か。光は
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旅館をやめて、この土地を引払い青森へ行き、僕が青森の師範学校へはいるようになったら、こんどは、父は僕ひとりを残して
僕のうちでは、旅館をやめて、この土地を引払い青森へ行き、僕が青森の師範学校へはいるようになったら、こんどは、父
青森あたりにさかなを売りに行って、そうして帰りに青森の闇屋にだまされて、三升、いや、四升かも知れん、
いるんだから愉快じゃないか。つまり、その漁師は、青森あたりにさかなを売りに行って、そうして帰りに青森の闇屋にだまさ
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は、あいそが尽きるに違いないんだ。殊につい最近、東京から疎開して来たばかりの若い娘さんの眼には、もうとても我慢
、あれはいったい何さ。美人だって? 笑わせやがる。東京の三流の下宿屋の薄暗い帳場に、あんなヘチマの粕漬みたいな振わない顔
ばならなくなるのよ。そうするとあなたたちはまた、東京で暮して来た奴等は、むだ使いしてだらしがないと言うし、
場でみんな使ってしまうし、父もあたしも十年間、東京でそんな暮しをして来たのだわ。でも、あたしは、その
つだけ、本当にもうそれだけなのよ。父がひとり東京に踏みとどまって頑張って、あたしだけ、兄のところへやっかいになりに来た
あのひとは、べつだけれども、あたしは父とふたりで東京へ出て、大戦がはじまる前だってちっとも楽じゃ無かったし、いよいよ大戦
、こんどは、父は僕ひとりを残して妹と二人で東京へ行ってしまった。よっぽど父は、この津軽地方には、いたくなかった
居りますし、それに、わたくしどもの死んだ長男は、東京帝大の医科にはいって、もう十年もそれ以上も、昔の話で
学校の宿直室へ行きますし、妹は、あれは、東京へまた帰ったほうがいいだろうと思います。