お伽草紙 / 太宰治
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ぬ儼然たる事實のやうに私には思はれる。これは甲州、富士五湖の一つの河口湖畔、いまの船津の裏山あたりで行はれ
の船津の裏山あたりで行はれた事件であるといふ。甲州の人情は、荒つぽい。そのせゐか、この物語も、他のお伽噺
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がひどかつたならば、その時には臥薪嘗膽、鞍馬山にでもはひつて一心に劍術の修行をする事だ。昔から日本の
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富士山の中腹にも小富士といふ山があるし、それから大室山だつて長尾山だつて、みんな富士山と續いてゐる山ぢやないの。知らな
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ふたりはそろつて湖畔に出る。白い河口湖には波ひとつ無い。兎はさつそく泥をこねて、所謂岩乘
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山でも、場所に依つて名前が違ふのよ。富士山の中腹にも小富士といふ山があるし、それから大室山だつて長尾山だつ
があるし、それから大室山だつて長尾山だつて、みんな富士山と續いてゐる山ぢやないの。知らなかつたの?」
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ここは東北の仙臺郊外、愛宕山の麓、廣瀬川の急流に臨んだ大竹藪の中である。仙臺地方には
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浦島太郎といふ人は、丹後の水江とかいふところに實在してゐたやうである。丹後といへば
水江とかいふところに實在してゐたやうである。丹後といへば、いまの京都府の北部である。あの北海岸の某寒村に、
などの南の諸地方だといふ話を聞いてゐる。丹後の北海岸、すなはち日本海のあの邊の濱には、たいまいは、遺憾ながら
しようかとも思つたが、しかし、浦島さんは昔から丹後の水江の人ときまつてゐるらしく、その上、丹後の北海岸には浦島
から丹後の水江の人ときまつてゐるらしく、その上、丹後の北海岸には浦島神社が現存してゐるやうだから、いかにお伽噺は繪空
ば、まあ、ぐるりと日本海のはうにまはつて、丹後の濱においでになつてもらつても、そんなに生物學界の大騷
といふものは皆このやうに靜かなものだよ。丹後の濱の大漁踊りみたいな馬鹿騷ぎを年中やつてゐるのが龍宮だなんて
さん、あなたの上品もあてにならんね。もつとも丹後の荒磯の風流人ぢや無理もないがね。傳統の教養とやらも、聞い
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問題がある。たいまいの産地は、本邦では、小笠原、琉球、臺灣などの南の諸地方だといふ話を聞いてゐる。丹後の北
も無い。それでは、いつそ浦島さんを小笠原か、琉球のひとにしようかとも思つたが、しかし、浦島さんは昔から丹後の
は許されない。どうしても、これは、小笠原か琉球のたいまいに、日本海までおいでになつてもらはなければならぬ。