新樹の言葉 / 太宰治
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けれど、別段、泣きもしなかった。つるの亭主は、甲州の甲斐絹問屋の番頭で、いちど妻に死なれ、子供もなかったし
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からであろうか。乳母の名は、つるといった。津軽半島の漁村の出である。未だ若い様であった。夫と子供に相ついで
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、土地の人は、甲府銀座と呼んでいる。東京の道玄坂を小綺麗に整頓したような街である。路の両側をぞろぞろ流れて通る
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、畑を作り家を建てると、それが盆地だ。もっとも甲府盆地くらいの大きい盆地を創るには、周囲五、六十里もあるひろい湖水を
、その実景を、想像してみることができなかった。甲府へ来て見て、はじめて、なるほどと合点できた。大きい大きい沼を掻乾
甲府は盆地である。四辺、皆、山である。小学生のころ、地理で
その帽子の底に、小さい小さい旗を立てた、それが甲府だと思えば、間違いない。きれいに文化の、しみとおっているまちである
擂鉢の底」と評しているが、当っていない。甲府は、もっとハイカラである。シルクハットを倒さまにして、その帽子の底
に、小さく、活気のあるまちである。よく人は、甲府を、「擂鉢の底」と評しているが、当っていない。甲府
沼の底、なぞというと、甲府もなんだか陰気なまちのように思われるだろうが、事実は、派手
災難である。東京での、いろいろの恐怖を避けて、甲府へこっそりやって来て、誰にも住所を知らせず、やや、落ちつい
「つるは、甲府にいたのですか?」私は、それさえ知らなかった。
奉公して居りましたが、のちに、独立して、甲府で呉服屋をはじめました。」
ある。甲府で一ばん賑やかな通りで、土地の人は、甲府銀座と呼んでいる。東京の道玄坂を小綺麗に整頓したような街で
灯っている。もう、この辺は、桜町である。甲府で一ばん賑やかな通りで、土地の人は、甲府銀座と呼んでいる。
。けれども両側の家家は、すべて黒ずんだ老舗である。甲府では、最も品格の高い街であろう。
汗ばんで、紅潮しているように見えるのである。甲府の火事は、沼の底の大焚火だ。ぼんやり眺めているうちに、
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て、行った。そんな感じだ。全くの災難である。東京での、いろいろの恐怖を避けて、甲府へこっそりやって来て、誰
通りで、土地の人は、甲府銀座と呼んでいる。東京の道玄坂を小綺麗に整頓したような街である。路の両側をぞろぞろ
くらいになっていたら、君は、もっと早く、私の東京の家を捜し出して、そうして、君は、君の妹さんと二人
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。甲府で一ばん賑やかな通りで、土地の人は、甲府銀座と呼んでいる。東京の道玄坂を小綺麗に整頓したような街である