ニューヨーク 東京 銀座 神田

現に先年ニューヨークで、ある男の他殺死体が地中より掘りだされたとき、何の誰とも

、私たちの事務室兼実験室を訪ねられました。小田さんは東京に近い△△県の田舎の生まれだそうですが、その村の小田さん

が分かると、それぞれ使者を出して、九月一日の朝東京の心当たりの先を訪ねさせることにしたのであります。

ゆくのを見たという者があるのと、富三が東京行の汽車に乗るのを見たという者があったので、両家

て、そのまま帰ってきませんでしたので、みんな東京の土となったものと思いこんでおりました。

ところが東京へ行ったはずの富三が、こうして山奥に死んでいるところを見る

東京へ帰る汽車の中で俊夫君は小田さんに言いました。

「Ｐのおじさん、東京へ帰ったらすぐ新聞記者をよんで、明日の新聞にこう書かしてください。

のとを交換し、自分が殺されたように見せかけて東京へ来たのであります。

八月三十日に各々家の金を五十円ずつ持って東京さして出かけましたが、腹の悪い富三は栄吉の五十円を奪う目的で

「これで眼と頭の毛をこしらえるんだ。義眼は銀座で買い、頭の毛は角の床屋で貰った」

「Ｐのおじさん、この首は明日から、神田の藤屋のデパートの飾窓に出して一般に見せることにしてください。そう