関東 本郷 番町 五条 奥州 入谷 鴨川 南禅寺 金閣寺 三十三間堂 赤坂 鞍馬 根岸 宇治 四条 音羽山 祇園 音羽 京都 秋田 仙台 東京 新橋 麹町 鶯谷 上野 浜町 高尾

さえ的確ではないのだそうであるから、構わず、関東の地声でもって遣つける。

で、本郷に出ているのは、箕原路之助――この友だちが、つい前日まで、祇園

んが、お七が櫓から倒に落ちたも同然、恐らく本郷はじまって以来、前代未聞の珍事です。

「京の祇園と、番町の土手下――いや、もうちっと――半道ばかり近いのです。大勢の中で

三十三間堂、金閣寺、両本願寺の屋根も見ず知らず、五条、三条も分らずに、およそ六日ばかりの間というもの、鴨川の

もうこの間から、とりあえず仙台まででも、奥州を巡礼してゆきたい気がするんです。まったくですわ。そういったら、

土用あけの残暑の砌、朝顔に人出の盛んな頃、入谷が近いから招待されて、先生も供で、野郎連中六人ばかり、大野木

も分らずに、およそ六日ばかりの間というもの、鴨川の花の廓に、酒の名も、菊、桜。白鶴、富久娘の

宇治は、嵯峨は。――いや、いや、南禅寺から将軍塚を山づたいに、児ヶ淵を抜けて、音羽山清水へ、お参り

ぼりだのに、宇治も瀬田も聞いたばかり。三十三間堂、金閣寺、両本願寺の屋根も見ず知らず、五条、三条も分らずに、

初のぼりだのに、宇治も瀬田も聞いたばかり。三十三間堂、金閣寺、両本願寺の屋根も見ず知らず、五条、三条も分ら

なるよ。ふんとうに。……新橋柳橋、それとも赤坂……ご同伴は。」

二歩、擬宝珠へ寄った処は、あいてはどうやら鞍馬の山の御曹子。……それよりも楠氏の姫が、田舎武士をなぶる

は、は、と口を圧えて笑うと、お絹が根岸の藍川館――鶯谷へ、とこの人の口でいうと、町が嬉し

れて、京へ飛んだ。初のぼりだのに、宇治も瀬田も聞いたばかり。三十三間堂、金閣寺、両本願寺の屋根も見ず知ら

二間ばかりの橋が、急にすらすらと長く伸びて、宇治か、瀬田か、昔話の長橋の真中にただ一人怪しい婦が、霞に彳

宇治は、嵯峨は。――いや、いや、南禅寺から将軍塚を山づたいに、児

ですから、嵯峨へ、宇治へというのを断って、朝出ると、すぐ三十三間堂。社もうで、寺

友だちが、つい前日まで、祇園で一所だったので、四条の芝居を打上げた一座が、帰って来て、弥生興行の最中だとお

南禅寺から将軍塚を山づたいに、児ヶ淵を抜けて、音羽山清水へ、お参りをしたばかりだ、というと、まるで、御詠歌はんどすな

いやはりますか。」――は、どう聞いても、祇園の芸妓、二十二、三の、すらりと婀娜な別嬪のようじゃあない。おのぼり

のは、箕原路之助――この友だちが、つい前日まで、祇園で一所だったので、四条の芝居を打上げた一座が、帰って来て

暗い磴の幽な底に、音羽の滝の音を聞いた時は、

音羽のその時は、風情がいいから、もう一度、団栗橋を渡り返した、京洛

「音羽の滝が響くんでしょうが、秋色は見えないはずだ。そこに立っている

染の小桜で、ちらちらと土間へ来た容子を一目、京都から帰ったばかりの主人が旅さきの知己、てっきり溶けるものと合点して、

下駄のさきとすれすれに袋が伸びていたそうで。京都へ着いた時迎いに来てくれました、路之助の番頭と一所だった

「御挨拶で恐縮ですよ。津山さん。私こそ、京都で、あんなにお世話になって。――すぐにもお礼かたがたお訪ね申さ

生死の最中、洒落どころではないのですが、これは京都で、連中が、女形の客だというので（お婿はん、お

郷里――秋田から微禄した織物屋の息子ですが、どう間違えたか、弟子になり

。妻が予知して、これが当って、門生志願が秋田の産、僕の赴任が仙台という、こう揃ったのに、何の

下極りで、世間に発表はしないけれども、今度、仙台の――一学校の名誉教授の内命を受けて、あと二月ぐらいで任

が当って、門生志願が秋田の産、僕の赴任が仙台という、こう揃ったのに、何の故障がありますか。……

、笹巻の笹だけ袂へ入れて振込めば、立ちどころに仙台様。――庭の薄に風が当る。……

お洲美さん、急に何だか寂しい気がする、仙台へ行ってしまわれては。」

もうこの間から、とりあえず仙台まででも、奥州を巡礼してゆきたい気がするんです。まったくです

知己がない。遠いが花の香と諺にもいう、東京の山の手で、祇園の面影を写すのであるから、名妓は、名妓と

――晩には、東京へ帰ろうとする朝でした。旅馴れないので、何となく心が

まい。……さしあたり、……のちの祇園のお絹を東京にしたような人だったんです――いや、どうも、若気の

に、しかるべき御祝儀を並べたことのない私には、新橋、柳橋……いずくにも、これといって容式をお目に掛ける

かね、といいたくなるよ。ふんとうに。……新橋柳橋、それとも赤坂……ご同伴は。」

わが、辻三がこの声を聞いたのは、麹町――番町も土手下り、湿けた崖下の窪地の寒々とした処

、その頃の本郷座。上野の山内、清水の観音堂。鶯谷という順に、その到る処、花が咲いていたように思います

一面の処へぶつかりましたし、続いて上野でも、鶯谷でも、特に観世音の御堂では、この妓と、花片が颯と微酔

を圧えて笑うと、お絹が根岸の藍川館――鶯谷へ、とこの人の口でいうと、町が嬉しがって、ほう、

呼留めて「上野を抜けると寂しいんですがね、特に鶯谷へ抜ける坂のあたり、博物館の裏手なぞは。」

前になります――山つづきといっても可い――鶯谷にも縁のありますところに、大野木元房という、歌人で、また絵師

何とも知らず、覚えただけの経文を呟き呟き、鶯谷から、上野の山中を※※って歩行いた果が、夜ふけに、清水の

、話を運びます、春木町の、その頃の本郷座。上野の山内、清水の観音堂。鶯谷という順に、その到る処、花が

の夜桜、舞台一面の処へぶつかりましたし、続いて上野でも、鶯谷でも、特に観世音の御堂では、この妓と、花片

お絹が土手番町へ訪ねて来た、しかもその夜、上野の清水の御堂の舞台に、おなじように、二人で立つ事になった

――そのころは、上野の山で、夜中まだ取締りはなかったらしい。それでも、板屋漏る燈

掻分けるように、前の俥を黒門前で呼留めて「上野を抜けると寂しいんですがね、特に鶯谷へ抜ける坂のあたり、博物館の

、虫が好かなくって大嫌い。もっともそれでなくっても、上野の山下かけて車坂を過ぐる時※ば、三島神社を右へ曲るの

て、座を立つと、――「散歩をしましょう。上野へでも、秋の夕景色はまた格別ですよ。」こっちはひけすぎ

ね。でも、真面目ですよ、ご覧なさい――昨日も上野の浄明院石占寺の万体地蔵様に、お参りをして、五百体

知らず、覚えただけの経文を呟き呟き、鶯谷から、上野の山中を※※って歩行いた果が、夜ふけに、清水の舞台に上っ

が案内をしてくれたのに対しても、山谷、浜町、しかるべき料理屋へ、晩のご飯という懐中はその時分なし、今も

「薄雲、高尾でございます。これでもそこらで、鮨を撮んで、笹巻の笹