歌行灯 / 泉鏡花

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地名一覧

筑前

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浪を川に寄せて、千里の果も同じ水に、筑前の沖の月影を、白銀の糸で手繰ったように、星に晃めく唄

名古屋

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年は、この月から一月後の師走の末に、名古屋へ用があって来た。ついでと言っては悪いけれど、稼の繰廻しが

中から、おなじ切符のたれかれが――その催について名古屋へ行った、私たちの、まあ……興行か……その興行の風説をする

眼でも有ろうなら、三重県に居る代物ではない。今度名古屋へ来た連中もそうじゃ、贋物ではなかろうから、何も宗山に稽古を

「名古屋の大須の観音の裏町で、これも浮世に別れたらしい、三味線一挺、

大須

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「名古屋の大須の観音の裏町で、これも浮世に別れたらしい、三味線一挺、古道具屋

銚子

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と身軽に銚子を運んで寄る。と亭主驚いた眉を動かし、

から、薄く腰を掛込んで、土間を切って、差向いに銚子を取った。

とこの門附は、権のあるものいいで、五六本銚子の並んだ、膳をまた傍へずらす。

桑名

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、七里のわたし浪ゆたかにして、来往の渡船難なく桑名につきたる悦びのあまり……

下に、遠近の樹立の骨ばかりなのを視めながら、桑名の停車場へ下りた旅客がある。

霜枯時の事ながら、月は格子にあるものを、桑名の妓達は宵寝と見える、寂しい新地へ差掛った。

て、私の帰るのを待っている。四五日はこの桑名へ御厄介になろうと思う。……上旅籠の湊屋で泊めてくれそうな

、……ええ、それ何んとか言うの。……桑名の殿様時雨でお茶漬……とか言う、土地の唄でも聞こうではない

按摩の笛が降るようだ。この寒い月に積ったら、桑名の町は針の山になるだろう、堪らねえ。」

とこの桑名、四日市、亀山と、伊勢路へ掛った汽車の中から、おなじ切符のたれかれが

なら、蕪の千枚漬も皇国無双で、早く言えば、この桑名の、焼蛤も三都無類さ。

、……周囲の人が承知しませず、……この桑名の島屋とは、行かいはせぬ遠い中でも、姉さんの縁続き

筋へも廻ろうかしら、と富田近所を三日稼いで、桑名へ来たのが昨日だった。

博多

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をつもると野宿も半分、京大阪と経めぐって、西は博多まで行ったっけ。

な胸を透かして、動悸が筋に映るよう、あわれ、博多の柳の姿に、土蜘蛛一つ搦みついたように凄く見える。

亀山

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とこの桑名、四日市、亀山と、伊勢路へ掛った汽車の中から、おなじ切符のたれかれが――その催

三重県

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参って拉がれた。あれで一眼でも有ろうなら、三重県に居る代物ではない。今度名古屋へ来た連中もそうじゃ、贋物では

箱根

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)で竹法螺吹くも同然だが、東へ上って、箱根の山のどてっぱらへ手が掛ると、もう、な、江戸の鼓が響く

神路山

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砂が黄色い。月は雲の底に淀りしている。神路山の樹は蒼くても、二見の波は白かろう。酷い勢、ぱっと吹くの

江戸

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、師匠なり、恩人なりという、……私が稼業じゃ江戸で一番、日本中の家元の大黒柱と云う、少兀の苦い面した阿父

。私等が流儀と、同じその道の芸の上手。江戸の宗家も、本山も、当国古市において、一人で兼ねたり、という

ええ、縁起の悪い事を言わさる。……明日にも江戸へ帰って、可愛い孫娘の顔を見るまでは、死んでもなかなか目は瞑ら

の山のどてっぱらへ手が掛ると、もう、な、江戸の鼓が響くから、どう我慢がなるものか! うっかり謡をうたいそうで

志摩

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「ああ、お前さんは、鳥羽のものかい、志摩だな。」

この物語を聞く人々、いかに日和山の頂より、志摩の島々、海の凪、霞の池に鶴の舞う、あの、麗朗なる

四国

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こうまでこれを教うるものは、四国の果にも他にはあるまい。あらかた人は分ったが、それとなく

伊勢

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「むむ、そりゃ何よ、その本の本文にある通り、伊勢の山田ではぐれた奴さ。いい年をして娑婆気な、酒も飲め

「そうさ、いかに伊勢の浜荻だって、按摩の箱屋というのはなかろう。私もなかろうと思うが

ところがね、その私たちの事を言うついでに、この伊勢へ入ってから、きっと一所に出る、人の名がある。可いかい、

にされるのが、あんまり可哀相な、とそう云うて、伊勢へ帰って、その話をしましたので、今、あの申しました。

立方は習われぬわ。むむ、で、何かの、伊勢にも謡うたうものの、五人七人はあろうと思うが、その連中に

内の廊下もごった返す。大袈裟な事を言うんじゃない。伊勢から私たちに逢いに来たのだ。按摩の変事と遺書とで、その日

何んだか伊勢が気になって、妙に急いで、逆戻りにまた来た。……

長崎

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この時な、その繋り船に、長崎辺の伯父が一人乗込んでいると云うて、お小遣の無心に来て

岐阜

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から大泉原、員弁、阿下岐をかけて、大垣街道。岐阜へ出たら飛騨越で、北国筋へも廻ろうかしら、と富田近所を三

東京

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、ちゃっとの間に皆出払います。そうか言うて、東京のお客様に、あんまりな人も見せられはしませずな、容色が好い

。高慢も高慢だが、また出来る事も出来る。……東京の本場から、誰も来て怯かされた。某も参って拉が

、鼓ヶ嶽が近いせいか、これほどの松風は、東京でも聞けぬ、)と御賞美。

後で、よく気がつけば、信州のお百姓は、東京の芝居なんぞ、ほんとの猪はないとて威張る。……な、宮重大根が

ますと、どうでしょう、炬燵で温めた襦袢を着せて、東京のお客じゃそうなと、な、取って置きの着物を出して、よう勤めて

(違ったような、当ったようだ、が、何しろ、東京の的等の一人だ。宗家の宗、本山の山、宗山か。若布

隅田川

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―危く駒下駄を踏返して、駕籠でなくっちゃ見なかった隅田川へ落ちようとしたっさ。――その話にでも嫌いな按摩が。