高野聖 / 泉鏡太郎 泉鏡花
地名一覧
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道連になつた上人は、名古屋から此の越前敦賀の旅籠屋に来て、今しがた枕に就いた時まで、私が
を昨夜九時半に発つて、今夕敦賀に入らうといふ、名古屋では正午だつたから、飯に一折の鮨を買た。旅僧も私
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木曾の御嶽山は夏でも寒い、
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快く頷いて、北陸地方を行脚の節はいつでも杖を休める香取屋といふのがある、旧
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さあ、之からが名代の天生峠と心得たから、此方も其気になつて、何しろ暑いので、喘ぎながら
世の譬にも天生峠は蒼空に雨が降るといふ人の話にも神代から杣が手を入れ
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にはそれから成つたのだが、聞けば之から越前へ行つて、派は違ふが永平寺に訪ねるものがある、但し敦賀に一
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、聞けば之から越前へ行つて、派は違ふが永平寺に訪ねるものがある、但し敦賀に一泊とのこと。
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降るのでもなければ、大海が押被さるのでもない飛騨国の樹林が蛭になるのが最初で、しまいには皆血と泥の中
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渠は高野山に籍を置くものだといつた、年配四十五六、柔和な、何
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此の汽車は新橋を昨夜九時半に発つて、今夕敦賀に入らうといふ、名古屋では正午だつたから、飯に一折の鮨を
て、派は違ふが永平寺に訪ねるものがある、但し敦賀に一泊とのこと。
敦賀で悚毛の立つほど煩はしいのは宿引の悪弊で、其日も
がさら/\と面を打ち、宵ながら門を鎖した敦賀の町はひつそりして一条二条縦横に、辻の角は広々と、
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岐阜では未だ蒼空が見えたけれども、後は名にし負ふ北国空、
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山越を遣つた時の、麓の茶屋で一所になつた富山の売薬といふ奴あ、けたいの悪い、ねぢ/\した厭
も確に活返つたのぢやが、夫にしても富山の薬売は何うしたらう、那の様子では疾に血になつて泥沼
「(はい、辻の手前で富山の反魂丹売に逢ひましたが、一足前に矢張此路へ入り
つたらう、それで、孤家で来さつしやる山路で富山の反魂丹売に逢はしつたといふではないか、それ見さつせい
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此の汽車は新橋を昨夜九時半に発つて、今夕敦賀に入らうといふ、名古屋では正午
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の心持といつたらない、殊に此頃の夜は長し、東京を出る時から一晩の泊が気になつてならない位、差支へが