開扉一妖帖 / 泉鏡花
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、お妻が、流れも流れ、お落ちも落ちた、奥州青森の裏借屋に、五もくの師匠をしていて、二十も年下
ただ人気のない処と遁げましたわ、知らぬ他国の奥州くんだり、東西も弁えない、心細い、畷道。赤い月は、野末に一つ
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蚯蚓でのびた。叔父の鉄枴ヶ峰ではない。身延山の石段の真中で目を瞑ろうとしたのである。
実際、信也氏は、身延山の石段で倒れたと同じ気がした、と云うのである。
「身延山の石段で、行倒れになったようなんです。口も利けない始末ですがね
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か、炭焼だかの息子と出来て、東京へ舞戻り、本所の隅っ子に長屋で居食いをするうちに、この年齢で、馬鹿々々しい
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の伽にしながら――よぼよぼの若旦那が――さすがは江戸前でちっともめげない。「五もくの師匠は、かわいそうだ。お前は芸は
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あったが、六十七歳にして、若いものと一所に四国に遊んで、負けない気で、鉄枴ヶ峰へ押昇って、煩って
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しい、二人とも、とやについて、どっと寝た。青森の親元へ沙汰をする、手当薬療、息子の腰が立つと、手が
お妻が、流れも流れ、お落ちも落ちた、奥州青森の裏借屋に、五もくの師匠をしていて、二十も年下
ん。どうせ、恐入るものをさ、あとで気がつけば青森へ着いてからでも御沙汰は同じだものを、ちっとでも里数の少い
た時さ――当にして行った仙台の人が、青森へ住替えたというので、取りつく島からまた流れて、なけなしの汽車の
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、取りつく島からまた流れて、なけなしの汽車のお代。盛岡とかいう処で、ふっと気がつくと、紙入がない、切符が
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…その野宿で倒れた時さ――当にして行った仙台の人が、青森へ住替えたというので、取りつく島からまた流れて
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浅草寺観世音の仁王門、芝の三門など、あの真中を正面に切って通る
をする。」……はずんで、脊骨……へ飛上る。浅草の玉乗に夢中だったのだそうである。もっとも、すぺりと円い
「いいえ、浅草の絵馬の馬も、草を食べたというじゃありませんか。お京
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宵から、銀座裏の、腰掛ではあるが、生灘をはかる、料理が安くて、
なって、その横路地から、七彩の電燈の火山のごとき銀座の木戸口へ飛出した。
は近かった。土橋寄りだ、と思うが、あの華やかな銀座の裏を返して、黒幕を落したように、バッタリ寂しい。……大きな
(――つい、今しがた銀座で一所に飲んでいた――)
のは、この婦が、見た処の容子だと、銀座へ押掛けようと言いかねまい。……
へ、媚しさなどは気もなかった。その頃、銀座さんと称うる化粧問屋の大尽があって、新に、「仙牡丹」
―入費はお師匠さん持だから、乗込みは、ついその銀座の西裏まで、円タクさ。
(いままだ、銀座裏で飲んでいよう、すました顔して、すくすくと銚子の数を並べ
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いる。――場所に間違いはなかろう――大温習会、日本橋連中、と門柱に立掛けた、字のほかは真白な立看板を、
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茶屋)が、焼出されたあと、仲之町をよして、浜町で鳥料理をはじめました。それさ、お前さん、鶏卵と、玉子と
で台所を手伝いながら――そう、すなわち前に言った、浜町の鳥料理の頃、鴾氏に誘われて四五度出掛けた。お妻
たのを視たと言う……その直後である……浜町の鳥料理。
では、おなじに、吉原を焼出されて、一所に浜町へ落汐か、というと、そうでない。ママ、ごよごよ
浜町の鳥屋は、すぐ潰れた。小浜屋一家は、世田ヶ谷の奥へ引込んで
(や、浜町の夜更の雨に――
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、雪中庵の社中か、抱一上人の三代目、少くとも蔵前の成美の末葉ででもあろうと思うと、違う。……田畝に狐火
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の、炭屋だか、炭焼だかの息子と出来て、東京へ舞戻り、本所の隅っ子に長屋で居食いをするうちに、この年齢で
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……ッてこれが、あまりないことさ。おまけに高尾のうまれ土地だところで、野州塩原の温泉じゃないけども、段々の谷底
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その樹の蔭を失って、のちに古女房と二人、京橋三十間堀裏のバラック建のアパアトの小使、兼番人で佗しく住んだ。身辺