続銀鼎 / 泉鏡太郎 泉鏡花

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地名一覧

松島

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松島から帰途に、停車場までの間を、旅館から雇つた車夫は、昨日、日暮

まいけれども、何しろ、私には、松島は見ても松島を論ずる資格はないのだよ。昨日も君に世話に成つたと言ふから

富山と言ふのへ上るだね。はい、其処だと、松島が残らず一目に見えますだ。」

ね。何しろ、船で巡るか、富山へ上らないぢやあ、松島の景色は論ずべからずと、ちやんと戒められて居るんだよ。」

鎌倉

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若手、売出しの洋画家であつた、婿君と一所に、鎌倉へ出養生をして居たのは……あとで思へば、それも寂しい

て居た。が、紫の藤より、菖蒲杜若より、鎌倉の町は、水は、其の人の出入、起居にも、ゆかりの色が

仙台

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園は昨日の其までは、聊か達す用があつて仙台に居たのであつた。

富山

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「船でなけりや、富山と言ふのへ上るだね。はい、其処だと、松島が残らず一目

「ださうだね。何しろ、船で巡るか、富山へ上らないぢやあ、松島の景色は論ずべからずと、ちやんと戒められて居る

「何うでがすね、此から、富山へおのぼりに成つては、はい、一里たらずだ、一息だで

田端

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三度めの時の事なので。――勿論、田端から帰りがけに、直ぐに園の家に立寄つたのであるが。

東京

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「東京から来らつしやる方は、誰方も花がお好きだアなあ。

、然うだねえ、彼れこれ四年には成るづらか。東京から来なさつたな、そりや、何うも容子たら、容色たら、そり