琉球 大阪 堺町 但馬 鹿児島 神戸 松山 福岡

様ではあるが、私が南国にうまれ、其後又琉球、台湾と次第に南へ南へ渡って絶えず朱欒や蜜柑の香気に刺激

先年大阪でひらかれた関西俳句大会の翌日、飛鳥川をわたり、橘寺へ行った

の方はもみつけた様に花を咲きこぼす。もといた堺町の家の簷にも一本夏みかんの木があって年々花をつけて

香ぐの木の実を常世の国から携え帰った田道間守の、但馬の国出石の産なので、こじつけの様ではあるが、私が南国にうまれ

鹿児島の平の馬場の屋敷というのは、明治十年鹿児島にわたって十七年間も住っていた父母が、自ら設計して建てた

私が生れた鹿児島の平の馬場の屋敷というのは、明治十年鹿児島にわたって十七

赴任すると間もなくあの西南戦争で命からがら燃えつつある鹿児島を脱出して、桜島に逃げ民家の床下にかくれて芋粥をもらったり、

、母と幼い長子とを神戸に残して一足先に鹿児島へ赴任すると間もなくあの西南戦争で命からがら燃えつつある鹿児島を脱出

に豊富な桃源の様なさつまで私の兄姉達は皆鹿児島風にそだてあげられた。私は長姉の死後三年目に生れたので

母達も其翌春かにはるばる鹿児島に上陸した時は、只まっ暗な焼野原で一軒の宿屋もなく

が並べられているのを見ると、私の生れたあの鹿児島の家の朱欒ももうゆたかに実り垂れているのであろうと思い出されるの

な官員様であった父は、母と幼い長子とを神戸に残して一足先に鹿児島へ赴任すると間もなくあの西南戦争で

て友禅の被布をきておとぎ文庫の因幡の白兎や、松山鏡を読みふけり乍ら盆の蜜柑をしきりに飽食する少女だった私は、南国

私の見た中で朱欒の巨樹は福岡の公会堂の庭にあるのがまず日本一と勝手にいってもいいだろう。