放浪記(初出) / 林芙美子

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地名一覧

大阪

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も水っぽい舌ざわりだ。東京は悲しい思い出ばかり、いっそ京都か大阪で暮らしてみよう……。

卒業の女事務員、どんよりと走る街並を眺めながら、私は大阪も面白いなと思った。

――灘の酒造家よりの、お取引先きに限り、大阪まで無料にてお乗せいたします。定員五拾名。

「大阪からどちらです。」

満洲

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けど、十二の時、よその叔父さんに連れられて、満洲にさらわれて行ったのよ。私芸者屋にじき売られたから、その

私六年ばかりいたけど、満洲の新聞社の人に連れて帰ってもらったのよ。」

青山

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青山の貿易店も高架線のかなた。二週間の労働賃金拾壱円也、東京での

道玄坂

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道玄坂の漬物屋の露路口に、土木請負の看板をくゞって、奇麗では

泥濘にて道悪し、道玄坂はアンコを流したような舗道だ。一日休むと、雨の続いた日が

北海道

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「いゝ所に居たんだね、俺も北海道だよ。」

そいでも、北海道から来たお父さんの手紙には、御難つゞきで、今は帰る旅費もない

も少し働いたら、私も北海道へ渡って、お父さん達といっそ行商してまわってみようか……。

北海道に行ってもう四ヶ月あまり、遠くに走りすぎて商売も思うようになく、

北海道あたりの、アカシアのプンプン香る並樹舗を、一人できまゝに歩いてみたい。

米も二升もらったり、画描きの溝口さんは、折角北海道から送って来たと云う、餅を風呂敷に分けてくれたり、指輪を質

沢庵を買った古新聞に、北海道にはまだ何万町歩と云う荒地があると書いてある。あゝそう云う未開の

神楽坂

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いつも目をつぶって通る、神楽坂も今日は素的に楽しい街になって、店の一ツ一ツを覗いて

四国

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四国まで一本筋の航路だ

ヶ月あまり、遠くに走りすぎて商売も思うようになく、四国へ帰るのは来春だと云う父のたよりが来てこっちも随分寒くなった

四国の浜辺から天神丸に乗りました。

ても、こっちをむいても旅の空、もいちど四国の古里へ逆もどりしようか、とても淋しい鼠の宿だ。

私の思い出に何の汚れもない四国の古里、やっぱり帰えろうかなあ……御飯焚きになってみたとこで仕用

私の古里は遠い四国の海辺

は、たった二三寸の間なのに、可哀想なお母さんは四国の海辺で、朝も夜も私の事を考えて暮らしているだろうに―

早くお父さんがゆとりをつけてくれるといゝ。九州もいゝな四国もいゝな。

京極

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だらだらと京極の街を降りると、横に切れた路地の中に、菊水と云ううどんや

根津

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根津でその職人さんに別れると、又私は漂々とどゝいつを唱いながら路を

根津の電車通りは、みゝずのようにかぼそく野宿の群がつらなっていた

私が根津の権現様の広場へ帰えった時、大学生は、例の通り、あの大きな傘

これが出掛けの戦争だ。急いで根津の通りへ出ると、松田さんが、酒屋のポストの傍で、ハガキを入れ

小石川

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屋を出ると、青年と別れて、私達三人は、小石川の紅梅亭に行く。賀々寿々の新内と、三好の酔っぱらいに一寸涙ぐましくなって

栄町

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「そうやなあ、栄町の宿屋はんやけど、蒲団の洗濯があるいうてましたけんど、なんぼう…

荒神山

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寒冷な風の吹く荒神山の上で呼んでいる

追分

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彼に紹介状もらって、××女性新聞社に行く。本郷の追分で降りて、ブリキの塀をくねくね曲ると、緑のペンキの脱落た、おそろしく

赤坂

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たと云うのに、私は電車の窓に凭れて、赤坂のお濠の灯をいつまでも眺めていた。

四谷

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「私は四谷で生れたのだけど、十二の時、よその叔父さんに連れられて、

夕方四谷の三輪会館に行くと、もういっぱいの人で、舞台は例の剃刀だった

芝浦

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た羽子板のように、ガックン、ガックン首を振って長い事芝浦までゆられた。

本郷

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で、男は金魚のように尾をヒラヒラさせて、本郷の下宿に越して行った。

一番なつかしく、一番厭な思い出の残った本郷の酒屋の二階を思い出した、同居の軍人上りや、二階でおしめを

歩いて本郷の酒屋へ帰えった時は、もう十二時近かゝった。

「本郷から、大変でしたね……。」

本郷の前の家へ行く。叔母さんつめたし。

彼に紹介状もらって、××女性新聞社に行く。本郷の追分で降りて、ブリキの塀をくねくね曲ると、緑のペンキの脱落た

本郷の混々した所から此辺に来ると、何故か落ちついた気がする。

戸塚

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いとしいお母さん、今貴女は戸塚、藤沢あたり、三等車の隅っこで何を考えています、どの辺を

お江戸日本橋

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お江戸日本橋のマークのはいった

兵庫

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の仲買の人に壱円で買ってもらうと、私は兵庫から、高松行きの船に乗る事にした。

で、瓦煎餅を一箱買うと、私は古ぼけた、兵庫の船宿で、高松行きの三等切符をかった。やっぱり国へかえりましょう。

尾道

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長崎の黄ろいちゃんぽんうどんや尾道の千光寺の桜や、ニユ川で覚えた城ヶ島の唄や、あゝみんないゝ

沈鐘の唄もうたった。なつかしい尾道の海はこんなに波は荒くはなかった。

「尾道です。」

何年振りに尾道へ行く事だろう。あゝあの海、あの家、あの人……お父さんや、お母さん

五年振りに見る、旅の古里の海! 汽車が尾道の海へさしかゝると、煤けた小さい町の屋根が、提灯のように拡がっ

年、私はうらぶれた体で、再び旅の古里である尾道へ逆もどりしている。その男も、学校を出ると、私達を置きざりにし

男も、学校を出ると、私達を置きざりにして、尾道の向うの因の島へ帰えってしまった。

尾道を去る時の私は、肩上げもあったが、今の私の姿は、

「尾道から警官がいっぱい来たんじゃと。」

なんだから、此位のコワガラセが何だろう。――尾道の海辺で、波止場の石垣に、お腹を打ちつけては、あの男の子供を

久し振りに見る兄さん、尾道の家に、木になった蜜柑や、オレンジを持って来てくれたあの

尾道についたら、半分東京へ送ってやろうかな、東京へかえったら、氷屋

尾道まで七円くらい、やっと財布をはたいて切符を買うと、座席を取ってまず

精養軒

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男と私は精養軒の白い食卓につくと、日本料理でさゝやかな別宴を張った。

上野山

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のアメチョコハウスに行く。夕方ポーチで犬と遊んでいたら、上野山と云う洋画を描く人が遊びに来た。私は此人と会うのは

名古屋

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新らしい土地へ降りてみたいな、静岡にしようか、名古屋にしようか、だが、何だかそれも不安になって来る。

明石

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明石行きの三等車の隅ッ子に、荷物も何もない私は、足を

明石行きの三等車は、神戸で降りてしまう人達ばかりだった。

天保山

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天保山の安宿の二階で、ニャーゴニャーゴ鳴いている猫の声を寂しく聞きながら私

五日振りに天保山の安宿をひきあげて、バスケット一ツの漂々とした私は、もらわれて

若松町

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夕暮れの涼しい風をうけて、若松町の通りを歩いていると、新宿のカフェーにかえる気もしなかった。

相変らず、足は棒のようになっている。若松町まで来ると、膝が痛くなってしまった。

千駄木

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拾三円で質に入れると、私と時ちゃんは、千駄木の町通りを買物しながら歩いた。

長者町

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「此の先の長者町までいらっしゃるとあります。」

日在浜のはずれ、丁度長者町にかゝった、砂浜の小さな破船のような茶屋である。

九州

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私は少女の頃、九州の芝居小屋で、此男の剃刀を見た事がある。

九州へ行っている父さんさえこれでよくなったら、当分はお母さんの唄でないが

九州からの音信なし。

十参円九州へ送る。

になった。早くお父さんがゆとりをつけてくれるといゝ。九州もいゝな四国もいゝな。

と云う。どんなにしても行かなくてはいけない。九州の父へは、四五日前に金を送ったばかりだし、今日行った

すかして、雨が針のようにふっている。私は九州の長崎の思い出に、唐津物を売っていた頃、よく父が巡査になぐら

江戸

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紫にほふ江戸の春

樺太

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とかしなくてはと思いながら、古い蚊帳の中に、樺太の女や、金沢の女達三人枕を並べているのが、何だ

俊ちゃんは先の御亭主に連れられて樺太に帰ってしまった。

富士山

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富士山を見た

富士山を見た

富士山は日本のイメージーだ

富士山を見ろ!

富士山の肩を叩いてやれ

富士山よ!

富士山よ

階の窓をあけに行くと、ほんのひとなめの、薄い富士山が見える。

霧島山

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ですよ。鹿児島が恋しいとお思いになりませんか、霧島山が桜島が、城山が、熱いお茶にカルカンの甘味い頃ですね。

金杉

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日暮里の金杉から来ているお千代さんは、お父つぁんが寄席の三味線ひきで妹弟六

玉川

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外は雨の音、玉川の方で、ポンポン絶え間なく鉄砲を打つ音がする。深夜だと云うのに

城ヶ島

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うどんや尾道の千光寺の桜や、ニユ川で覚えた城ヶ島の唄や、あゝみんないゝ!

ほめてくれた事があった。あの頃、町には城ヶ島の唄や、沈鐘の唄が流行っていた。

関西

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関西の女は物ごしが柔らかで、何を考えているのだかさっぱり判らない。

ハワイ

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ではベニがねと云っていた。ベニのパパはハワイに長い事行っていたとかで、ビール箱でこしらえた大きいベッドにベニ

上野公園

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上野公園下まで来ると、どうにも動けない程、山下が恐ろしくて、私は

雑司ヶ谷の墓地

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御感想は……私は此言葉を胸にくりかえしながら、雑司ヶ谷の墓地を抜けて、鬼子母神のそばで番地をさがす。

金沢

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と思いながら、古い蚊帳の中に、樺太の女や、金沢の女達三人枕を並べているのが、何だか店に晒

千葉

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お計さんは子供の病気で昨夜千葉へ帰ってしまった。

怪談なんかに話が飛ぶと、たい子さんは千葉の海岸で見た人魂の話をよくした。

、娘はお信さんと云って、お天気のいゝ日は千葉から木更津にかけて、魚の干物の行商に歩くのだそうな。

秋田とサガレンと、鹿児島と千葉の呆然のような女達が、カフェーのテーブルを囲んで遠い古里に手紙

徳島

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屋並の低い徳島の町も、寒くなるにつれ、うどん屋のだしを取る匂いが濃くなっ

隅に、古ぼけた旅人宿を始めて、私は一年徳島での春秋を迎えた事がある。

ない私達親子三人が、最後に土についたのが徳島だった。女の美しい、川の綺麗なこの町隅に、古ぼけた旅

おゆみとはよくつけたもの私の母さんは阿波の徳島。

長崎

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長崎の黄ろいちゃんぽんうどんや尾道の千光寺の桜や、ニユ川で覚え

長崎の、長崎の

長崎の、長崎の

、雨が針のようにふっている。私は九州の長崎の思い出に、唐津物を売っていた頃、よく父が巡査になぐられ

京都

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「実家は京都の聖護院の煎餅屋でな、あととりやけど、今こっちい来て市役所へ

もかも水っぽい舌ざわりだ。東京は悲しい思い出ばかり、いっそ京都か大阪で暮らしてみよう……。

さんの手紙をもらって、私は何もかも投げ出して京都へ行きたくなった。

をもらうと、鼻頭がジンジンする程寒い風にさからって、京都へ立った。

京都はいゝ街だ。

、もう一度チェホフを読んでもいゝのになあと思う。京都のお女郎の事なんか、私には縁遠いねばねばした世界だ。

静岡

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新らしい土地へ降りてみたいな、静岡にしようか、名古屋にしようか、だが、何だかそれも不安に

高松

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、馬鹿を千も万も叫びたい程、切ない私だ。高松の宿屋で、あの男の電報を受け取って私は真実、嬉し涙を流して

朝の寝ざめ、郷愁をおびた土佐節を聞いていると、高松のあの港が恋いしくなった。

人に壱円で買ってもらうと、私は兵庫から、高松行きの船に乗る事にした。

一箱買うと、私は古ぼけた、兵庫の船宿で、高松行きの三等切符をかった。やっぱり国へかえりましょう。

神戸

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「神戸にでも降りてみようかしら、何か面白い仕事が転がってやしないか

明石行きの三等車は、神戸で降りてしまう人達ばかりだった。

真実、この人は好人物らしい。神戸に家があって、九人の子持ちだとこぼしていた。

岡山

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私は宿のお上さんに頼んで、岡山行きの途中下車の切符を、除虫菊の仲買の人に壱円で買ってもらう

母は、岡山の祖母がキトクだと云う電報を手にしていた。私にも

岡山までの切符を買ってやる。

下谷

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下谷の家

下谷の寿司屋の女中さんに紹介をたのむと、壱円の手数料を五拾銭

福岡

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と、貴女の詩集位いは出してくれるかもわからない、福岡日々の社長の息子ですってよ……。」

鹿児島

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貴方と私は同じ郷里なんですよ。鹿児島が恋しいとお思いになりませんか、霧島山が桜島が、城山が、

秋田とサガレンと、鹿児島と千葉の呆然のような女達が、カフェーのテーブルを囲んで遠い古里

秋田

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女給達に手紙を書いてやる。秋田から来たばかりの、おみきさんが鉛筆を甞めながら眠りこけている。

秋田とサガレンと、鹿児島と千葉の呆然のような女達が、カフェーのテーブル

毎日の生活断片をよく寝言にうったえる秋田の娘さん。

訪問先きは秋田雨雀氏のところ――。

秋田氏は風邪を引いていると云って鼻をかみかみ出ていらっした。

二階の秋田さんの部屋には黒い牛の置物があった。高村さんの作で、

が、談話がとれなくて、油汗を流していると、秋田さんは二三枚すらすらと手を入れて下すった。

秋田氏は楽し気にコツコツ靴を鳴らしている。

秋田氏は銀座へ。

小川町

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んだが、浅草の占師に見てもらったら、神田の小川町あたりがいゝって云ったので来たのだと云っていた。

小川町の停留所で四五台の電車を待ったが、登校時間だったのか来る

神田

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来たんだが、浅草の占師に見てもらったら、神田の小川町あたりがいゝって云ったので来たのだと云ってい

神田から田端までの路のりを思うと、私はペシャペシャに座ってしまいたい程

随分長い事合いませんね、神田でお別れしたきりですもの……。

していたか知れない。荷物を宿にあずけて、神田の職業紹介所に行く。

浅草

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て、友達にいじめられて出て来たんだが、浅草の占師に見てもらったら、神田の小川町あたりがいゝって云ったの

浅草の大きいカフェーに居て、友達にいじめられて出て来たんだが

浅草はいゝ。

浅草はいつ来てもよいところだ……。

浅草は酒を呑むによいところ。

浅草は酒にさめてもよいところだ。

、うんと働らくから芙美ちゃん元気を出して勉強して。浅草を止めて、日比谷あたりのカフェーなら通いでいゝだろうと思うの酒の客

して下さい。指輪をもらった人に強迫されて、浅草の待合に居ます。

所を知らせないで。浅草の待合なんて……。

浅草へ来た時は夕方だった。

東京

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にピヤノをならわせてくれたの、ピヤノの教師っても東京から流れて来たピヤノ弾きよ、そいつにすっかり欺されてしまって、私

――と云って、八端のドテラをかたみに置いて東京をたってしまった。

東京を遠く離れて、青い海の上をつっぱしっていると、色々に交渉の

父を捨て、母を捨て、長い事東京に放浪して疲れて帰った私も、昔のたどたどしい恋文や、ひさし髪の

東京へ行こう!

東京の友達がみんな懐しがってくれるような手紙を書こう。――一九二八・一二

東京へ旅立つその日

に、高野豆腐に黒豆、何もかも水っぽい舌ざわりだ。東京は悲しい思い出ばかり、いっそ京都か大阪で暮らしてみよう……。

ハガキをみつめて、いつからか覚えた俳句をかきなぐりながら、東京の沢山の友達の顔を思い浮べた。

「東京から、どうしてこっちゃいお出でやしたん?」

出鱈目に原籍を東京にしてしまった私は、一寸どう云っていいかわからなかった。

東京のお君ちゃんからのハガキ一枚。

東京で吸う、赤い味噌汁はいゝな、里芋のコロコロしたのを薄く切って

久し振りに東京へ出る。

今朝はるばると幾十日目で又東京へ帰えって来たのではないか

私は、東京の男の事を思い出して、涙があふれた。

「東京はもう地震はなおりましたかいな。」

ツルツルした富久娘のレッテルの裏に、私の東京の住所と姓名と年と、行き先きを書いたのを渡してくれた

私はね、外国航路の厨夫なんですが、一度東京の震災も見度いと思いましてね、一と船休んで、こっち

恥ずかしいも糞もあったもんじゃない。ピンからキリまである東京だ。裸になり次手に、うんと働いてやろう。私は辛かった菓子

誰も知人のない東京だ。恥ずかしいも糞もあったもんじゃない。ピンからキリまである東京だ

あゝあの拾参円はとゞいたか知ら、東京が厭になった。早くお父さんがゆとりをつけてくれるといゝ。九州も

借金だらけの私達親子三人が、東京行きの夜汽車に乗った時、町はずれに大きい火事があったが……

ている親達を私は、こう言って慰めたが、東京でむかえに来てくれる者は、学校へ行っている、私の男一人

「ねえ、お母さん! 私達の東京行きに、火が燃えるのは、きっといゝ事がありますよ。」しょぼしょぼ

かゝえた私は、当もなく昨日まで、あの雑音のはげしい東京を放浪していたが、あゝ今は旅の古里の海辺だ。海添

東京で苦労した事や、裸で門を壊していた昼間の職工達

昨日は東京のお母さんへ電報ガワセを送ったし、私はこうして海の息を

ても、どうにも仕様のない事だらけなんだ、東京へ帰えろう、私の財布は五六枚の拾円札でふくらんでいた。

尾道についたら、半分東京へ送ってやろうかな、東京へかえったら、氷屋もいゝな、せめて暑い日盛りを義父さんが、ウロウロ

尾道についたら、半分東京へ送ってやろうかな、東京へかえったら、氷屋もいゝな、せめて

お母さんだけでも東京へ来てくれゝば、何とか働きようもあるんだけど……

、国へ帰りたくなった。目当もないのにウロウロ東京で放浪したところで、結局どうにもならない。電車を見ている

朝鮮のお母さんのとこにあずけて、子供のでない男と東京へ流れて来ると、お由さんはおきまりの男を養うためのカフェー生活

店も高架線のかなた。二週間の労働賃金拾壱円也、東京での生活線なんてよく切れたがるものだなア。

遠いので誰も信用してくれないんです、だから東京に原籍を書きなおすと、非常に肩が軽るくて、説明も入ら

「東京ですの。」

…だが、何年か、見きわめもつかない生活を東京で続けたら、私自身の姿があんな風になるかも知れない。

新宿

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を一台頼んでもらうと、二人は約束しておいた新宿の八百屋の二階へ越して行った。

風をうけて、若松町の通りを歩いていると、新宿のカフェーにかえる気もしなかった。

「新宿まで行くんですが、大丈夫でしょうかね。」

「とても面白かったわ、新宿の待合室で四人も私を待ってたわよ、私知らん顔し

時が、一番ゆかいだ。五月の埃をあびて、新宿の陸橋をわたって、市電に乗ると、街の風景が、真に天下

新宿の旭町の木賃宿へ泊る。

夕方新宿の街を歩いていると、妙に男の人にすがりたくなった。

田端

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神田から田端までの路のりを思うと、私はペシャペシャに座ってしまいたい程悲しかった

「すみませんが、田端まで帰るんですけど、貴方のお出でになるところまで道連れになって戴け

、嬉し涙を流して、はち切れそうな土産物を抱いて、この田端の家へ帰えって来た。

時々田端の駅を通過する電車や汽車の音が汐鳴りのように聞える丈で、

銀座

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夕方から銀座の松月へ行く、ドンの詩の展覧会、私の下手な字が、麗々しく

昼からたい子さんと二人で、銀座の方へ行ってみる。

銀座裏の奴寿司で腹が出来ると、黒白の幕を張った街並を足

いっそ、銀座あたりの美しい街で、こなごなに血へどを吐いて、××さんの自動車

「着物が一二枚出来たら、銀座へ乗り出そうかと思っているの。」

秋田氏は銀座へ。

上野

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のアメチョコハウスに行く。夕方ポーチで犬と遊んでいたら、上野山と云う洋画を描く人が遊びに来た。私は此人と会う

私は窓をいっぱいあけて、上野の鐘を聞いた。晩は寿司でも食べよう。

「吉さん! 上野へ連れて行っておくれよ。」

正反対の電車に乗ってしまった私は、白々とした上野にしょんぼり自分の影をふんで降りた。

吉祥寺

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日曜なので、五十里さんと静栄さんと、吉祥寺の宮崎さんのアメチョコハウスに行く。夕方ポーチで犬と遊んでいたら、上野

日比谷

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芙美ちゃん元気を出して勉強して。浅草を止めて、日比谷あたりのカフェーなら通いでいゝだろうと思うの酒の客が多いんだって

日本橋

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二人は日本橋の上に来ると、子供らしく、欄干に手をのせて、漂々と飛ん

お江戸日本橋のマークのはいった

――娘があなた、お江戸の日本橋から買って送って下れましたが、まあ一ツお上りなしてハイ…

日本橋に立ちました。

日本橋! 日本橋!

日本橋! 日本橋!

日本橋はよいところ

何でも此男の父親は日本橋で薬屋をしているとかで、私の仕事は薬の見本の整理

水道橋

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「そうですか、水道橋までおくってあげましょう。」

日暮里

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日暮里の金杉から来ているお千代さんは、お父つぁんが寄席の三味線ひき

大久保

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大久保百人町のゆりのやと云う派出婦会に行く。

麹町

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麹町三年町の伊大利大使館へ行く。

八王子

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ざんざ降りの雨の中を、私を乗せた自動車は八王子街道を走っている。