朝夕 / 林芙美子

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地名一覧

神楽坂

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た。嘉吉が三十二で、亡妻のつるが二十九の時に神楽坂の藁店に、いまの小さい洋品店を開いたのだが間口三間ばかりの

神楽坂の通りは埃が激しくて、うすら寒むかつたが、町が明るく人通りが壮んな

前へ来ると足を止めた。いつそ、此足で神楽坂の家へ帰へつてみやうかと思つた。帰へれないまでも自分の

四谷

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で、古ぼけたトランクをもてあましながら、軒をひろつて、四谷の方へぶらぶらと歩いた。雨は一寸した驟雨で、泡沫が乾いて

浅草

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。――店の中へ何も並べるものがなくなると、浅草あたりの化粧品問屋から、安いポマードや水白粉のやうなものを仕入れて来て

「あゝ別にいゝ判断もつかないが、今朝は浅草へ一寸行つて来たンだがね、化粧品の夜店をするンだつたら

新宿

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の激しい町を、嘉吉となか子はそれから当てもなく新宿の方へ出て行つた。

来ると、二人は汽車の中で相談したやうに、新宿裏の小料理屋をたづねて、女中の口を探がしてみることにし

た。軒並みにカフヱーやとんかつ屋や、小料理屋の並んでゐる新宿裏の路地へ這入ると、なか子は風呂敷包を嘉吉にあづけて、それ

東京

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東京へ帰へつて来ると、二人は汽車の中で相談したやうに

とか何とかした方が効果はあるわね、東京で夜店なんて、素人の私だつて駄目なこつたと思ふわ」

「だつて、東京で夜店出すにしたつて、雨風のこと考へないぢや黙目よ。日