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、彼自身の考えがあって、ひそかに行方をくらまし、下関の廻船問屋小林太郎左衛門の家へ泊った。

癒し様のない袋小路のどんづまりという感じである。世阿弥が佐渡へ流刑のあいだに創った謡曲に「檜垣」というものがある。細いこと

もとに長く滞在していたことがあったという。兵庫は柳生派随一の使い手と言われた人だそうで、兵庫は武蔵を高く

は柳生派随一の使い手と言われた人だそうで、兵庫は武蔵を高く評価していたし、武蔵も亦兵庫を高く評価して

人で、俳句の好きな人があった。ある晩、四条の駅で一緒になって電車の中で俳句の話をしながら帰ってき

今年の夏、僕は新潟へ帰って、二十年ぶりぐらいで、白山様の祭礼を見た。昔

して、死んでしまう方が倖せだ。僕はこの夏新潟へ帰り、たくさんの愛すべき姪達と友達になって、僕の小説を

の見たたった一度の例外というのは、だから、京都ムーランではないのである。

生きるのを止めにしようと思ったか知れない。新京極に京都ムーランというレビューがあって、そこへよく身体を運んだ。まったく、ただ

それは京都であった。昭和十二年か十三年。京都の夏は暑いので、僕は毎日十銭握ってニュース映画館へ這入り、

それは京都であった。昭和十二年か十三年。京都の夏は暑いので、

京都ムーランよりももっと上手の活動小屋へ這入ったら、偶然アトラクションにレビューをやって

いるようなこの人々の足跡のひとつ、数年前の京都の小さな活動小屋の出来事がこんなにハッキリ指摘されるものだとは。僕

それはモリシンです、といともアッサリ答えたものである。当時京都の活動小屋へアトラクションに出たのはモリシン以外にない。小屋の場所も

を合せて話を交したりするようになり、ある日、京都ムーランの話がでた。そこで、雲をつかむような話で所詮分る

僕が京都にいたころ、碁会所で知り合った特高の刑事の人で、俳句の好き

の細川家に迎えられて、剣名大いに高かった。その頃京都にいた武蔵は小次郎の隆々たる剣名を耳にして、その速剣

はこういう才能をもっていた。都甲家は今も熊本につづいているという話である。

去年の正月近い頃、渋谷で省線を降りて、バスに乗った。バスは大変な満員で、僕

を覚えていない。会えば分る筈だから、浅草や新宿でレビューを見るたびに注意したが再会の機会がない。

あいにく名前を覚えていない。会えば分る筈だから、浅草や新宿でレビューを見るたびに注意したが再会の機会がない。

見えて仕方がなくなるのである。あれぐらいの芸人だから浅草へ買われてこない筈はなかろうと思い、もう一度見参したいと思っ

ところが、この春、浅草の染太郎というウチで淀橋太郎氏と話をした。この染太郎はお

は割合いいのだが夏が悪いので、暖くなると東京へ来て、僕の家へ病臥し、一ヶ月に一度ぐらいずつギブスを