淪落 / 林芙美子

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地名一覧

大阪

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、東京をみたいと思つた。姉さんは、長い事大阪へ女中奉公に行つていたのだけれど、戦争がはじまつてから戻つて

伊豆

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面白いわ」と云つておく。夏になつて、二人は伊豆の大仁温泉へ行つた。小さい旅館へ泊つた。関はウィスキーを持つてい

丸の内

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を飲む気もしなかつたので、夕方の街を丸の内の方へ歩いて、宮城の方へ散歩した。もう虫があたり一面なき

宮城

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たので、夕方の街を丸の内の方へ歩いて、宮城の方へ散歩した。もう虫があたり一面なきたてゝいて、秋ふけ

。少し位は工面してやる」と云つてくれた。宮城の広い通りを、わたし達は風に吹かれて歩いた。――数寄屋橋で

神田

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いて、万年床が窓ぎわに敷いてある。小山は神田の小さい製薬会社に勤めていた。四十位のひとだつた。お金を

東京

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つているのだと話したら、その男のひとは、東京で働きたいのなら、いくらでも職はみつけてやるから、自分の下宿

のかと話しかけて来た男がいた。わたしは、東京へ働き口をみつけて、知人をたよつて来たのだけれど、そこで

。田舎にいる時は、あんなにペコペコしていて、東京へ来ると随分人が変つたようになり、田舎でなくした着物

泊めて貰うことにしてすぐ働き口をみつけようと思つた。東京は随分焼けていた。びつくりする位焼けていた、本当に気の毒だ

だと云うと、奥さんは困つたやうな様子で、「東京は、とても食物が不自由なのよ。第一、家も焼けて、いま

に来るたびに云つたのをおぼえていたので、東京へ着くなり、わたしはたずねたずねて山路さんの家へ行つた。山路さん

十月、夜汽車に乗つて一人で東京へ来た。東京へ来たら、ぜひ、家を尋ずねていらつしやい、御恩

、わたしは去年の十月、夜汽車に乗つて一人で東京へ来た。東京へ来たら、ぜひ、家を尋ずねていらつ

わたしは決心して、仲のいゝ駅員のひとに頼んで東京行きの切符を買つてもらつた。お母さんに知られないやうにし

と云うところはそんなにいゝところかと思つて、一度、東京をみたいと思つた。姉さんは、長い事大阪へ女中奉公に行つ

山路さんもみんな東京へ戻つてしまつた。わたしは、東京と云うところはそんなにいゝところかと思つて、一度、東京をみたい

に、戦争が済むと、本田さんも、山路さんもみんな東京へ戻つてしまつた。わたしは、東京と云うところはそんなにいゝところ

して来ていた東京の人達はあわてゝみんな東京へかえつてしまつた。田舎で一生を暮すような事を云つてい

間もなく、わたしの村へ疎開して来ていた東京の人達はあわてゝみんな東京へかえつてしまつた。田舎で一生

わたしは、家のひとたちには無断で東京へ出て来た。終戦となつて間もなく、わたしの村へ疎開

た。だけど、こんな世の中になつて、何カ月かを東京で暮してみると、みんな、わたしと似たりよつたりの女が多い

にはいりに行つた。大仁へ一晩泊つてわたしたちは東京へかえつた。それから二三日して、関は自殺してしまつた

新宿

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と思う。秋風が立ちそめてきた。偶然に、わたしは新宿の通りで小山に逢つた。小山は落ちぶれた姿でいた。わたしと

銀座

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と誰でも話している。――或日、久しぶりに銀座で、栗山は案外親切で、こんな事を云つた。「どこを歩いたつ