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八丈島たいふうありとラジオいう

要さんの姉さんも、いまはタイピストになって丸の内の会社につとめています、いまは、どこのおうちも大変な時なの

行くのだといっていました。金井君のおとうさんはマニラで戦死をされたのです。金井君は、とてもいいひとです。人の

熊の仔は、黒い木で刻んだものです。おとうさんは北海道に行つていたのです。

。沢井君のおとうさんは、とてもかわりもので、このあいだ、北海道へ行かれる時、青森で、沢井君とおなじ年の、男の子をひろって来

‥‥おとうさんはサイパンで戦死したし、おかあさんと赤ん坊は本所の区役所の前で別れたきり、だから僕一人になったのさ‥‥

駅で金井君に会いました。金井君は、おねえさんと千葉へおいもを買いに行くのだといっていました。金井君の

さんは大きいくろだいをおみやげにもっていらっしゃいました。千葉の船橋というところで買っておいでになったそうで、私のうち

なすの苗は、金井君が千葉のお百姓家でわけてもらって来たもので、とてもいい苗でした。

し、蝶蝶をとることがとても好きで、このあいだも、千葉へ行って、黒あげはだの、しじみ蝶なんかたくさんとって来ました。

いう人たちがひっこして来ています。吉田さんは、宇都宮でお家がやけたのだそうです。こんなことなら、東京にいた方

年をとったおばあさんがおられるので、早くから宇都宮へ疎開して、もうおとなりには安藤さんという人たちがひっこして

宇都宮で、くうしゅうのさいちゅうに亡くなられたのだそうです。僕は吉田さんの

「宇都宮って海がありますか」

くつをみて、吉田さんのおじさんがかわいそうでした。宇都宮でおうちがやけてしまったのです。

鶏は、吉田さんのおじさんが、宇都宮から持ってきて下さるのだそうです。吉田さんのおじさんは、お仕事

早く鶏のおうちが出来て、宇都宮の鶏が来るといいと思います。今日は日曜日なので、僕は

はじめ、宇都宮からもらった鶏は二羽いたのですけれど、野良犬にとられてしまっ

「僕ね、この間、宇都宮へ行くんで、おかあさんと上野駅へ行ったんだよ。そしたら、

名前までくわしくいうんだって‥‥。生まれは、どうも宇都宮あたりらしいっておとうさんがいうんだけど、浦和でも長野でも、浅草の

じゃがいもは、長野の本田さんのおじさんがすこし下さったのを、芽のところを中心に

僕の組はたいていみんな長野へ疎開して行ったのに、僕だけは、この本庄さんのチョコと

「だって、長野の山の中には、犬なんてめったにいなかったよ、猫の方

金井君は、去年の三月、長野へ疎開して行きました。僕にもいっしょに行こうとさそってくれた

も宇都宮あたりらしいっておとうさんがいうんだけど、浦和でも長野でも、浅草の田原町で生まれたなんていっているんだよ。朝、

来たんだけど、二度目は十日ぐらいして、長野の警察から知らして来たんだよ。いつも、おとうさんもおかあさんもみんな浅草

おとうさんがいうのさ。浅草でミシン屋をしてたって、長野でいってたのは、うちのことだろうっておとうさんが話してたけど、

お金をわたしてる人があったから、おばあさん、きっと甲府へかえれたと思うね――」

切符も落したんだって‥‥汽車ちんがなければ、甲府へかえれないっていうんでメガネをかけたおばさんが、そのおばあさん

ないんだって、三百円も落したっていうんだろう。甲府へかえるのに、切符も落したんだって‥‥汽車ちんがなければ

、とてもかわりもので、このあいだ、北海道へ行かれる時、青森で、沢井君とおなじ年の、男の子をひろって来られたそうです。

に、たくさんの人が死んでしまうのよ。その上、東京だってこんなに焼けてしまって、みんな住むお家もなくて困るでしょう」

とおかあさんがおっしゃいました。僕は焼野原になった東京を見るとかなしいのです。僕のお友達のお家も、ずいぶん焼けました

行きなさいといっていましたが、おじさんたちもとうとう東京にがんばってしまいました。おじさんのお家は麻布の区役所のそばだった

宇都宮でお家がやけたのだそうです。こんなことなら、東京にいた方がよかったのだ、と吉田さんは残念そうにして

日僕の家におとまりになることになりました。東京で、あたらしく何かおしごとをおはじめになるということでした。

おじさんは東京に早く家をみつけたいといっておられました。長く住んでいた

おじさんは、これから東京で、食料品のみせをだすのだそうです。三晩ほど御やっかいになり

行ったのに、僕だけは、この本庄さんのチョコと東京へのこっていて、あのこわかった空襲をよく知っています。

「犬って東京だけにいるのかねえ？」

よくいいません。よっぽど苦しかったとみえて、田舎では東京へかえりたくて、友だちが、みんな、いろんなぼうけんをした話をして

なんだよ。東京、東京って呼ぶとね、東京、東京って返事をするんだぜ。――田舎も、山のなかや、田圃

とても変なんだよ。東京、東京って呼ぶとね、東京、東京って返事をするんだぜ。――田舎も、山のなかや

知ってるかい？　とても変なんだよ。東京、東京って呼ぶとね、東京、東京って返事をするんだぜ。――田舎

山彦って知ってるかい？　とても変なんだよ。東京、東京って呼ぶとね、東京、東京って返事をするんだぜ。―

、山のなかでこのぼつぼオをきくと、僕、東京へかえりたくて涙が出て困っちやった」

金井君は疎開さきから、みんなで東京へかえった時、東京があんまり焼けているので、涙がこぼれて眼がまんまるくはれあがってしまった

金井君は疎開さきから、みんなで東京へかえった時、東京があんまり焼けているので、涙がこぼれて眼

です。吉田さんのおじさんは、お仕事のことで、たびたび東京へいらっしゃいます。

「ああ、うちは東京なんだけど焼けてね、深谷の桶屋へ小僧に行ってたんだ

ないのだそうです。おばあさんとそうだんをして、東京で給仕でもして、夜学に行って勉強したいのだそうです。

。桶屋ではたらくことを考えますと何でも出来ます。東京の青空市場へ行って野菜のあきないをしようかとおもっていますが、

。早く東京へ出てどこかへつとめたいのですが、東京へは転入出来ませんので、当分、近所のお百姓の手伝いをする

は書こうと思いながら私は毎日せわしく暮しております。早く東京へ出てどこかへつとめたいのですが、東京へは転入出来ません

ことなんて出来ません。疎開からもどって来た友達に、東京の空襲の話をしながら、友達っていいなと思いました。それから

日曜なので、電車は満員です。目白の駅で金井君に会いました。金井君は、おねえさんと千葉へお

「やア、珍らしい、目白の健ちゃんがきましたよ」

に、竹の細いので格子をつくってやるのです。目白へ出て、学習院の通りを歩いていると、僕たちぐらいの男の子

大きい字で書いた手紙をおとうさんが下さいました。僕は目白の駅で会社に行くおとうさんと別れました。

僕は昨日もおかあさんと新宿へ行って、ローソクの安いのをみつけてあげました。安いのがみつかる

「僕はねえ、このあいだ、新宿へ行ったら、よそのおばあさんが、お金入を落したって泣いて

「八王子へ行くのはこの道を行ったらいいの」とききます。

僕たちは八王子を知りません。

「八王子って遠いんだろう‥‥何しに行くの‥‥」

いまパンがふけるからそれを食べて、それからおじさんが八王子に連れて行ってあげよう」

おとうさんはちょうど八王子にたずねなければならない人があるからといって、その子といっしょに

おとうさんは八王子の駅で、万年筆をおとしたのだそうですけれど、女学生みたいな人が

僕は、八王子にかえったあの子のことや、復員して来られた及川先生のこと

「ああさっき、八王子の子どもから健坊に手紙が来ていたよ、おとうさんにも来て

僕はすぐ金井君に八王子の子どもの手紙をみせました。そしていっしょに手紙をひらいてみました

僕は八王子の子どもの手紙を読んで行きながら泣きたいようなかわいそうな気持になりまし

八王子の子どもが、いつか粉を持って来てくれると手紙をくれました

の、おとうさんやおかあさんは、どうしたのって聞くと、浅草で黒こげになって死んぢゃったっていうの‥‥ほんとうかなア」

っておとうさんがいうんだけど、浦和でも長野でも、浅草の田原町で生まれたなんていっているんだよ。朝、掃除しなさいって

知りやしないんだもの‥‥僕が、ふるい浅草のエハガキをやったら、それをとてもよくおぼえていて、商店のカンバンの

いってるんだって‥‥。だって、その子どもは、浅草なんて知りやしないんだもの‥‥僕が、ふるい浅草のエハガキ

知らして来たんだよ。いつも、おとうさんもおかあさんもみんな浅草で死んぢゃって、誰もみよりがないっていってるんだって‥‥

も、それだってわからないよっておとうさんがいうのさ。浅草でミシン屋をしてたって、長野でいってたのは、うちのこと

がいうんだけど、浦和でも長野でも、浅草の田原町で生まれたなんていっているんだよ。朝、掃除しなさいっていって