愛する人達 / 林芙美子

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地名一覧

本郷

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ても、働く場所がないと云ふ事は憂欝だねえ。本郷の方も、当分駄目らしいんで弱つてゐる」

福島

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――親仁さんの良吉は、二日ばかりの商用で、福島へ行つて留守である。

下谷

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いふのよ。たとへばさうね。新富の寿司だとか、下谷のポンチ軒のカツレツとか‥‥」

鹿児島

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で帝大の英文科に籍を置いてゐる。――故郷の鹿児島の家も焼かれて、いまは仕送りも百円と限定されてゐる

の六年生。一ヶ月前から専造と二人暮しだが、鹿児島にゐるよりはずつと明るい生活だつた。

つて来たが、過労と肺キシの為に、母は鹿児島へ戻つて間もなく亡くなつてしまつた。

母と、姉の定子と、妹の峰子と、故郷の鹿児島へ戻つて来たが、過労と肺キシの為に、母は鹿児島へ

福岡

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専造も、兵隊にとられたが、福岡へ着くと同時に終戦となり、すぐ東京へ戻つて来た。まだ学生

浅草

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「浅草へ行つてみようか?」

だが、この金額の中から、間代を少し入れて、浅草で何か食べるとすれば、五拾円といふ金は、うたかたの如き

東京

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云つてゐたけれども、定子は、結局、田舎よりも東京がいゝといふ信念を持つてゐた。束京といふ処も、田舎

東京は、人間の屑の、掃溜めのやうな処だと、坂田のおばあ

れたが、福岡へ着くと同時に終戦となり、すぐ東京へ戻つて来た。まだ学生で帝大の英文科に籍を置いてゐる。

定子は五郎を連れて、去年の暮れに、無段で東京へ逃げて来た。上海時代の知人である、政子の家を頼つて

をさない二人は、捨身の情熱で生れた東京の土地を恋ひしたつて‥‥。

大久保

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の話だよ。――早く、食事を済ませて、大久保へ行つて、話をきめて来なさい。日中は暑くなつて、また出

「定子ちやん、今日は、日曜でせう? 大久保へ一緒にゆかない? ひとりで行くのつまらないわ‥‥」

「大久保で、少し貰つて来るといいンだよ」