三原山 横浜 後楽園 静岡 奈良 東京

三原山の上空をとぶ。火口をかこんで砂漠がクッキリと、二ツの色と形

から見るのと同じ形の富士である。天城を越える。三原山のように砂漠がないから、冬の山々はたゞ単色のヒダが無限にひろがっ

、すでに吐き気に苦しむ。東京上空旋回廿分。高度あげつつ横浜から横須賀へ。山上にまるい大穴が花弁型にたくさん有るのは旧砲台の跡

まくために高度六百メートルで東京を二周する。神宮と後楽園の運動場が意外に大きい。ビルディングは小さなオモチャ。機上から見た下界の物体

静岡、清水をすぎて雲海の上へでる。青空の深さ。太陽の白光

なる。死人が墓石を倒して踊り出たようなものだ。奈良から晴れた空を急降下、伊丹飛行場につく。耳を痛がる人が多い

読売社の年賀状をまくために高度六百メートルで東京を二周する。神宮と後楽園の運動場が意外に大きい。ビルディングは小さなオモチャ

大穴が花弁型にたくさん有るのは旧砲台の跡らしい。東京では皇居を目近に見下してきた。日本の空にはタブーがなくなっ

うける。飛上して三分目に、すでに吐き気に苦しむ。東京上空旋回廿分。高度あげつつ横浜から横須賀へ。山上にまるい大穴が花弁

「この機長、よう知っとるわい。東京の上空二回廻ってやるからビラまくのはそれだけで止めとけ言うん

結論、簡単をきわめる。実際は旋回廿分の東京見物が悪かったようだ。

直前に機上で食事したからだ。結論として、東京見物の低空飛行と機上の食事を慎めば（スカアチは別也）空の旅