畿内 吉野 飛鳥 河内国 宇佐八幡 下野薬師寺 河内 大隅国 大宰府 東大寺 観音寺 九州 筑紫 内道場 奈良 国分寺

その富も天皇家にまさるとも劣るものではなかつた。畿内に於けるこの対立ほど明確ではなかつたにしても、地方に於ける

弟の後の天武天皇が兄の天皇の憎しみを怖れて吉野に逃げたのも、この勢力の支持を当にしてのことであつた。

云ひ、蘇我氏は住居を宮城、墓をミサヽギと称し、飛鳥なる帰化人の集団に支持せられて、その富も天皇家にまさるとも劣る

蘇我氏を支持する帰化人の集団は飛鳥の人口の大半を占め、当時の文化の全て、手工業の技術と富力をもち

、生地の弓削に由義宮を起し、西京とした。河内国は昇格し、河内職をおかれた。百川もこれに伴ふて昇格し、

た阿曾麻呂は一年の後、上京した。彼は宇佐八幡の神教なるものを捧持してゐた。それに曰く「道鏡をし

女帝は決意した。宇佐八幡の神教が事実なら、そして、勅使がその神教を復奏したなら、

下野薬師寺は奈良の東大寺、筑紫の観音寺と共に天下の三戒壇、鑑真の開基

道鏡の故郷は河内の弓削だつた。百川はことさら道鏡に懇願して、その栄誉ある法王

はことさら道鏡に懇願して、その栄誉ある法王の生国河内の国守に任命してもらつた。

清麻呂は官をとかれ、別部穢麻呂と改められて、大隅国へ流された。

折から彼等の腹心の中臣習宜阿曾麻呂が大宰府の主神となつて九州へ赴任することになつた。主神は大宰府管内の諸

なり」と勅した天皇は、その鋳造を終つて東大寺に行幸し、皇后と共に並んで北面の像に向ひ、凛々と大仏

は栄えた。諸国に国分寺がたち、大仏がつくられ、東大寺は都の空に照り映えた。天皇は三宝の奴となつた。

の政治に反感と義憤をいだいてゐた。即ち彼は東大寺や国分寺の建立のために、全ての犠牲と苦しみが人民たちにかゝつ

下野薬師寺は奈良の東大寺、筑紫の観音寺と共に天下の三戒壇、鑑真の開基で、日本有数

下野薬師寺は奈良の東大寺、筑紫の観音寺と共に天下の三戒壇、鑑真の開基で、日本有数の名刹だつた。

罪に問はれて、太宰員外帥に左遷され、遠く九州へ追ひ落されてしまつたのである。

等の腹心の中臣習宜阿曾麻呂が大宰府の主神となつて九州へ赴任することになつた。主神は大宰府管内の諸祭祀を掌る長官で、

筑紫に起つた痘瘡が都まで流行してきた。天平九年のことであつ

下野薬師寺は奈良の東大寺、筑紫の観音寺と共に天下の三戒壇、鑑真の開基で、日本有数の名刹

と、仏道堅固な人格と、二つながら世評が高く、内裏の内道場に召されたのだ。

彼は内道場の持仏堂の仏前に端座し、もはや仏罰を怖れなかつた。否、仏罰を

によつてこの勢力との絶縁を志して果し得ず、奈良の遷都によつて始めて絶縁に成功した。天皇家の日本支配がこの

でた。風土記も、古事記も、書紀もあまれた。奈良の遷都も行はれた。貨幣も鋳造された。

天下は興隆したか。然り、仏教は興隆した。奈良の都は栄えた。諸国に国分寺がたち、大仏がつくられ、東大寺は

下野薬師寺は奈良の東大寺、筑紫の観音寺と共に天下の三戒壇、鑑真の開基で

爾来、天平の盛時、諸国に国分寺がたち、聖武天皇が大仏の鋳造に勅して、天下の富をたもつ

つゝむ善美華麗、天下の富をつくした建築、諸国には国分寺が立ち、国分尼寺が立ち、それは、まさしく天下の富を傾けつくして

仏教は興隆した。奈良の都は栄えた。諸国に国分寺がたち、大仏がつくられ、東大寺は都の空に照り映えた。天皇は

に反感と義憤をいだいてゐた。即ち彼は東大寺や国分寺の建立のために、全ての犠牲と苦しみが人民たちにかゝつて