山形屋の青春 / 岸田国士
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あとへやつとかゝつた吾妻川の仮橋を渡ると、浅間の裾の鬼の押出しと呼ばれる熔岩地帯へ通じる鎌原の里である。登山
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二週間のうちにすつかり使ひ果して、しよんぼり、上野動物園の熊の檻の前に立つてゐた。
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実は、自分の店も山形屋といふので、両親は山形の出身であると、つい、知りもせぬことを言つてしまつた
郷里はどこかとたづねた。ところが、それは偶然、山形であつた。彼は、小をどりせんばかりに悦び、実は、自分
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山形屋の若主人宇部東吉は東京へ商品の買ひ出しに出たきり、もう二週間も帰つて来ない
山形屋の若主人、宇部東吉が、東京へ出たまゝ、杳として行衛知れずになつたのは、それ
「東京が面白うなつたのかも知れん」
外聞がわるいといつて聴きいれず、たうとう、自分で東京へ行つて探して来ると言ひ出し、長くしまひ込んであつた洋服を取り出し
の幸福は、あの山奥の街道の上にはなく、この東京といふ大都会のまんなかにあつたのだと、つくづくそれに気のつくの
この前、十月に東京へ出たとき、仕入先の青年に誘はれて、何気なくはいつたカフエー
東京へ着くと、その足で、カフエー白百合のドアを開け、中をひとわたり
「わるかつた、なあ、堪忍してくれ。東京でつい遊んぢまつたんだ。あぶなく女にひつかゝるところだつた」
「お父つつあんがなあ、東京へあんたを探しに行つとりなさるんだけど……」
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「飴玉の仕入先で、神田に時々泊めてもらふ家があつたつけが……」
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どうしても五千円都合して行かねばならぬ。御徒町はすぐ眼と鼻の先である。こゝからそこへ行くまでに、五千