堺 畿内 伊勢 大阪 京都 東京

自分が「純潔」を貴ぶ所から堺の街の男女の風俗のふしだらな事を見聞きしてそれを厭い、また読書

回しかないということの数えられるほど稀であった。堺の大浜へさえ三年に一度位しか行かなかった。自分の歌に畿内

あった。雇人の多い家では――殊に風儀の悪い堺の街では――娘を厳しく取締る必要があることは言うまでもないが

三年に一度位しか行かなかった。自分の歌に畿内の景色や人事を歌うことが多くても、実際京都や大阪へ行ったこと

大御神の如き処女天皇の清らかな気高い御一生が羨しかった。伊勢の斎宮加茂の斎院の御上などもなつかしかった。自分の当時の心持を今から

の景色や人事を歌うことが多くても、実際京都や大阪へ行ったことは十度にも満たないのであった。それだけにかえっ

に畿内の景色や人事を歌うことが多くても、実際京都や大阪へ行ったことは十度にも満たないのであった。それ

でなくても、兄は東京に学んでいる。妹は京都に学んでいる。弟はまだ土地の中学にいる。店を初め一家の

まいと決めていた。そうでなくても、兄は東京に学んでいる。妹は京都に学んでいる。弟はまだ土地の中学