滝口入道 / 高山樗牛
地名一覧
嵯峨野
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袖は涙に打蕭れつ、霞める眼に見渡せば、嵯峨野も何時しか奧になりて、小倉山の峰の紅葉、月に黒みて、
鎌倉
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にも遁れ給ひしと世の口々に嘲られて、京鎌倉に立つ浮名をば君には風やいづこと聞き給はんずる御心に候や
六波羅
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瀧口入道、都に來て見れば、思ひの外なる大火にて、六波羅、池殿、西八條の邊より京白川四五萬の在家、方に煙の中に
高野山
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事のみぞ多かる世は、嵯峨の里も樂しからず、高野山に上りて早や三年、山遠く谷深ければ、入りにし跡を訪ふ
小倉山
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眼に見渡せば、嵯峨野も何時しか奧になりて、小倉山の峰の紅葉、月に黒みて、釋迦堂の山門、木立の間に鮮なり
福原
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、入道は上下萬民の望みに背き、愈々都を攝津の福原に遷し、天下の亂れ、國土の騷ぎを露顧みざるは、抑々之れ
、義仲の爭ひの隙に山陰、山陽を切り從へ、福原の舊都まで攻上りしが、一の谷の一戰に源九郎が爲に脆く
太秦
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の里、霜枯れし野草を心ある身に踏み摧きて、太秦わたり辿り行けば、峰岡寺の五輪の塔、夕の空に形のみ見ゆ
壁を漏れて照る月は常住の燭、晝は御室、太秦、梅津の邊を巡錫して、夜に入れば、十字の繩床に結跏趺坐
丹波
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が隱謀脆くも敗れて、身は西海の隅に死し、丹波の少將成經、平判官康頼、法勝寺の執事俊寛等、徒黨の面々
奈良
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ず。前の非を悟りて舊都に歸り、さては奈良炎上の無道に餘忿を漏らせども、源氏の勢は日に加はるばかり