亡弟 / 中原中也

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地名一覧

豪徳寺

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友達を訪ねて、誘ひ出し、豪徳寺の或るカフエーに行つて、ビールを飲んだ。その晩は急に大雨となり

出て、大降りの中を歩いて、私と友達とは豪徳寺の駅で別れた。ガタガタ慄へながら下宿に帰つて、大急ぎで服を脱いで

東京

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秋床に就き、東京の病院に翌年三月迄ゐて、郷里に帰つた。そしてその年の

八日の宵であつた。私はその夜の汽車で東京に向けて立つことにしてゐた。弟の寝てゐる蚊帳のそば

それでも今晩立つのだといへば、若々しく、私は東京の下宿屋の有様なぞをも、フト思ひ浮かべたりするのであつた。弟に

だがまた、東京にゐて何時売れるともない原稿を書き、淋くなつては無理

羨しがることはないよ。俺の此の八年間の東京暮しは、かう/\かういふものだと、云つてやらうかとも

は、――つまり何時までさうして弟の傍に、東京に生活(?)のある私がゐるといふことは、もう此の数日

『此の節は東京はどちらにおいでで』といふ、車夫の、暗がりの水溜りを避け/

また哀悼の辞を述べた後、此の医者は、私の東京に於ける生活の模様を、何かと訊くのであつた。やがてそれ

泰三の思ひ出話ばかりしてゐました。先生は僕の東京の話なぞ訊くものですから、分りよく納得のゆくやうに話しました。

目黒

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/\云ふ声に、フト私は我に帰つた。『目黒の方だ』と、随分力を入れて答へたのではあつたが