黄河 本郷 早稲田 神田 東京

暮で、もう日本が負けることはハッキリしており支那の黄河あたりをカメラをぶらさげて悠長に歩くことなど出来なくなるのは分りきっている

おかげで私は黄河に就ては相当の勉強をした。本はたいがい読んだ。立教大学の構内に

を乞うた。支那学者が他に数人いて、あいにく黄河に就て特に調べているという専門家はいなかったが、ともかくここで懇切な

社の伊沢君からきいてのことと思うが、私が黄河を調べていることをきいて、私を早稲田の甘泉園というところへ招い

にすぎない。水の泡をつくれと云っても無理だ。尤も黄河の読書はたのしかった。殆ど毎日のように私は神田、本郷、早稲田、その

、早稲田、その他至るところの古本屋を廻り歩いて本をさがし、黄河以外の支那に就ても書く為には読みすぎるほど読んだけれども、まったく脚本

空虚な仕事をやりうるものではない。月給の半分は黄河の文献を買ってるのだからカンベンしてくれ、と私は内心つぶやいて私

の読書はたのしかった。殆ど毎日のように私は神田、本郷、早稲田、その他至るところの古本屋を廻り歩いて本をさがし、黄河以外の支那に

、私が黄河を調べていることをきいて、私を早稲田の甘泉園というところへ招いて、ここには先生の支那古美術の蒐集が

尤も黄河の読書はたのしかった。殆ど毎日のように私は神田、本郷、早稲田、その他至るところの古本屋を廻り歩いて本をさがし、黄河以外

私は空襲のさなかで三日にあげず神田などで本を買ってきた。友人達は呆れて、どうせ焼けるじゃない

、私は人の親切にすすめてくれる疎開をすげなく却けて東京にとどまっていたが、こういう矛盾は私の一生の矛盾であり、

生き残る自信があった。然し私はトコトンまで東京にふみとどまり、東京が敵軍に包囲されドンドンガラガラ地軸をひっかき廻し地獄の騒ぎをやらかした果

あった。たいがい生き残る自信があった。然し私はトコトンまで東京にふみとどまり、東京が敵軍に包囲されドンドンガラガラ地軸をひっかき廻し地獄の騒ぎ

私は六月の中頃だろうか、もう東京が焦土になってのち、勇気をふるって「黄河」の脚本を書いた