武蔵野 本郷 東京 上野 浅草 日比谷

てみるとそれはハイドンのトリオであった。こんな閑寂な武蔵野の片隅で、こういうものを聞くということが何となく面白かった。蜩

。それでいつか放送局でラジオ相談所として推薦した本郷の某ラジオ屋へ試みに修繕に出したら、今度は断然桁ちがいに感度を低下

東京で一般的放送が開始されて後も、しばらくの間は全く他所事の

しての価値はもう永久に失われたようである。東京市会議員のような機械になってしまったのは無残である。正宗がなまくら

ある日偶然上野の精養軒の待合室で初めてＪＯＡＫの放送を聞いたが、その拡声器の発する音

の演技が聞かれるからである。昔の山の手の住民が浅草の芝居を見に行くために前夜から徹夜で支度して夜のうちに

のであろう。パチリと一つスウィッチを入れさえすれば、日比谷公会堂の演奏、歌舞伎座の演技が聞かれるからである。昔の山の手の住民