軽井沢 関東平野 銀座 東京

軽井沢

ほど前の夏休みに松原湖へ遊びに行った帰りの汽車を軽井沢でおり、ひと汽車だけの時間を利用してこの付近を歩いたことがあっ

ことがあった。その時の記憶と今度行って見た軽井沢とで、目についた相違はと言えば、機関車の動力が電気になっ

「白樺電車」というものを通わせている。いかにも軽井沢らしい象徴的な交通機関である。柱や手すりを白樺の丸太で作り、天井の周縁

言う。なるほど、星野でも千が滝でも沓掛でも軽井沢でもまだ一匹も猫の姿を見ない。それが東京の宅の付近

と言ってもやはりいちばん人間に興味があるようである。軽井沢の町や新軽井沢の林間を歩いていて行き会う都人士は、みんななんとなく新軽井沢

軽井沢の駅へおりた下り列車の乗客が、もうおおかたみんな改札口を出てしまっ

軽井沢から沓掛へ乗った一人の労働者が、ひどく泥酔して足元があぶないのに、

碓氷峠を下って関東平野にかかると今さらに景色の相違が目に立つ。落葉松、白樺、厚朴、かえで

「居留地」向きの雑貨のほかに、一九三三年の東京の銀座にあると同じような新しいものもあるのである。書店の棚には

、いわゆる「居留地」向きの雑貨のほかに、一九三三年の東京の銀座にあると同じような新しいものもあるのである。書店の棚

でもまだ一匹も猫の姿を見ない。それが東京の宅の付近だと、一町も歩くうちにきっと一匹ぐらいは見つかる