根岸庵を訪う記 / 寺田寅彦

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地名一覧

マニラ

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て間もなく商品陳列所の方へ行ってしまった。マニラの帰休兵とかで茶色の制服に中折帽を冠ったのがここばかりで

根岸

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を出て来た。浅草へ行く積りであったがせっかく根岸で味おうた清閑の情を軽業の太鼓御賽銭の音に汚すが厭になっ

熊本

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ていたが鶏頭は障子にかくれて丁度見えなかった。熊本の近況から漱石師の噂になって昔話も出た。師は学生の

浅草

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がすさまじい音をして小家の向うを出て来た。浅草へ行く積りであったがせっかく根岸で味おうた清閑の情を軽業の太鼓

其処を右へ曲るとよう/\広い街に出たから浅草の方へと足を運んだ。琴の音はやはりついて来る。道

上野

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駄目だと云う事だ。空が曇ったのか日が上野の山へかくれたか畳の夕日が消えてしまいつくつくほうしの声が沈ん

の熱心に勝を譲るかも知れぬなど話しているうち上野からの汽車が隣の植込の向うをごん/\と通った。隣の

が車の音の聞えぬのは有難いと思うていると上野から出て来た列車が煤煙を吐いて通って行った。三番と

見に行くとて京橋の寓居を出て通り合わせの鉄道馬車に乗り上野へ着いたのが二時頃。今日は曇天で暑さも薄く道も

御茶の水

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たる赭土塊を踏んで向うへ行く人物もある。油画は御茶の水の写生、あまり名画とは見えぬようである。不折ほど熱心な画家は

京橋

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厭になったから山下まで来ると急いで鉄道馬車に飛乗って京橋まで窮屈な目にあって、向うに坐った金縁眼鏡隣に坐った禿頭

九月五日動物園の大蛇を見に行くとて京橋の寓居を出て通り合わせの鉄道馬車に乗り上野へ着いたのが二時頃