小石川 浅間山 根津権現 軽井沢 磐梯山 本郷 奈良県 ロンドン 手賀沼 酒匂川 ナポリ 精養軒 江戸 浅間 丸の内 三原山 横浜 武蔵野 ローマ 芝浦 三省堂 両国 上野動物園 谷中の墓地 上野公園 仙台 高知 奈良 長野 熊本 松山 深川 東京 田端 銀座 上野 神田 新宿 大塚 新橋 品川 永代橋 隅田川 京橋

電話が自働式に変わると同時に所属局が「小石川」から「大塚」に移り、さらにまた番号がもとより三〇〇〇だけ数を増した。

数日の間でも働いていたということは、浅間山という特異な自然現象と関聯してはじめて生じうる特異な人事現象でなければなら

今日新聞紙上に跡を絶たない。よく聞いてみると、浅間山にもかなり多数の投身者があるそうであるが、このほうは新聞に出ない

根津権現の境内のある旗亭で大学生が数人会していた。

月十三日の某新聞消息欄を見ると、吉村冬彦が軽井沢から帰京したことになっている。

渓谷を上りて会津を経、猪苗代湖畔の霜枯れを圧する磐梯山のすさまじき雪の姿を仰ぎつつ郡山へ。

学生時代には本郷へんの屋敷町を歩いているとあちらこちらの垣根の中や植え込みの奥から琴の

と思って、半鐘の製造所を詮議すると、それがやはり奈良県だということがわかった。

ロンドンの動物園へインドから一匹の傘蛇が届いた。

去年の秋手賀沼までドライヴしたついでに大利根の新橋まで行ってみた。利根川の河幅は

震災後の十月十五日に酒匂川の仮橋を渡った。

ナポリの港町の夜景が心に浮かぶ。

精養軒の玄関にボーイが一人立って人待ち顔に入り口のほうをながめている。このボーイ

それから五十日の喪に服した後、さらに江戸まで申請して、いよいよ家督相続がきまるまでにまた二か月かかった。

浅間の火口に投身した人の数は今年の夏も相当にあった。しかし

と松沢山口両氏ならびに観測所主任の水上氏と四人が浅間に登山したが、自分と坪井氏とは登らなかった。石本松沢山口

しそうである。それをわざわざ遠く出かけて、しかも三原や浅間に山登りをする元気があるのは不思議なような気がする。こういう種類

黒褐色に縮れ上がって、みじめに見すぼらしい光景を呈していた。丸の内の街路の鈴懸の樹のこの惨状を実見したあとで帝劇へ行って二

昭和九年の十一月中旬には東京の丸の内のところどころの柳が青々として風になびいていた。その一方で銀杏

た人の数は今年の夏も相当にあった。しかし三原山のは新聞に出るが、浅間のは出ない。ジャーナリズムというものを説明する

割は自殺者だそうである。新聞には出ないが三原山よりは多いという。

三原山の投身者の記事が今日新聞紙上に跡を絶たない。よく聞いてみると

建築などに見馴れて、日本へ帰った時に、まず横浜の停車場の小さいのに驚き、汽車の小さいのに驚き、銀座通りの家屋の

が寒かったが日は暖かであった。上野から省線で横浜へ行って山下町の海岸のプロムナードで「汽船のいる風景」をながめた。この

十月には武蔵野のどこかで桜が返り咲きに満開したそうである。十一月二十五日に

あまり評判のよくないほうで有名なローマの最後の王様タルキヌスがほうぼうで攻め落とした敵の市街からの奪掠物で寺院を

聯合艦隊が芝浦に集合して、昼は多勢の水兵が帝都の街頭に時ならぬユニフォームの

今日神田の三省堂へ立ち寄って、ひやかしているうちに、「性的犯罪考」という本が見当たっ

始めて両国の川開きというものを見た。

今の上野動物園のライオンと、深川の細民との比較がどうなっているか知りたいもの

のいちばん末の姉を七歳で亡くして休日のたびに谷中の墓地へ通ったという話を聞かされたことがあった、それを今日ふい

上野公園の一隅にある鉄筋コンクリートの建物の中で時々科学者が寄り集まって事務的な相談

年からは「曙町より」という見出しで、豊隆の「仙台より」と、やはりだいたいひと月代わりに書いて来た。それがだんだんに蓄積

安政時代の土佐の高知での話である。

高知の本町に堀詰座という劇場があった。そこの木戸口の内側に小さな

詮議してみると、日本の墨の製造所は、ほとんど全部奈良にあることがわかった。

こんなことがわかったころに、ちょうど君は奈良ホテルに泊まって鹿の声を聞いていたのである。

今年今月は不思議に奈良に縁のある月であった。

奈良へ出かけなければならないことになるかもしれない。（昭和七年十二

翌日の東京朝日新聞長野版を見ると、石本坪井両氏と寺田が登山し三人とも二時十五

に医師として接触した人もある。それからまた熊本高等学校時代に英語を教わった人々、その中で自分などのように俳句を

の種類が相当たくさんにありそうである。古いほうでは松山の中学校で先生から英語を教わった人たちがある。その中でそれっきり

今の上野動物園のライオンと、深川の細民との比較がどうなっているか知りたいものである。（大正

上野から円タクを雇って深川の清澄公園へ行って見た。アルコウ会という会と、それから某

自分の生まれない前に両親が深川西六間堀に住まっていたころ、自分のいちばん末の姉を七

東京へんでは、七月ごろから、もうそろそろ秋の「実質」が顔を

東京という所も存外不便な所である。

東京という所は存外不便な所である。

東京市民がみんな石油ランプを要求するような時期が、いつかはまためぐって

れてから、ちょうど二か月後に関東大震災が起こって、東京じゅうの電燈が役に立たなくなった。これも不思議な回りあわせであっ

一日忙しく東京じゅうを駆け回って夜ふけて帰って来る。

この広い日本の、この広い東京の、この片すみの、きまった位置に、自分の家という、ちゃんときまっ

鉄筋コンクリートの三階から、復興の東京を見下ろしての連句三昧は、変わった経験であった。

係に採用したのだということであった。やはり東京のカフェーかバーにいた女だそうでそれからまもなく帰京した

という気がどうしてもしない。ほんの一週間ぐらい東京へ帰ってまた出て来たような気がする。もっともこれは、去年

は「星野の自分」が眠っていてその間は「東京の自分」が活動しており、星野へ来るとはじめて「星野の自分」

しかし、なんだか、東京にいる間は「星野の自分」が眠っていてその間は「東京

九年八月十五日は浅間山火山観測所の創立記念日で、東京の大学地震研究所員数名が峯の茶屋の観測所に集合して附近の

翌日の東京朝日新聞長野版を見ると、石本坪井両氏と寺田が登山し三人とも二

の細かい地方の商売人だったらどうかわからないが、少なくも東京の学生のような観客層に対してはこの五十銭均一のほうが経済

昨年九月の暴風雨で東京の街路樹がだいぶいじめられた。たぶんいわゆる「塩風」であったためか

昭和九年の十一月中旬には東京の丸の内のところどころの柳が青々として風になびいていた。その

のできた幸運の人たちもある。次には先生の東京時代に一高や大学で英語英文学を教わった広い意味での弟子たちが

成効の報知がわが国に伝わった晩にちょうど日本の東京のＪＯＡＫで文士の航空に関する座談会というのが放送された。それ

次第に悪くなる東京の空気のせいであるのか、それともこの樹の本来の寿命に

このページェントが非常時の東京市民にわが海軍の偉容を示して、心強さと頼もしさを吹き込むという

先ごろ警視庁で東京市のギャング狩りを行なったときに検挙された「街の紳士」たち

田端の停車場から出て、線路を横ぎる陸橋のほうへと下りて行く坂道が

暮れの押し詰まった銀座の街を、子供を連れてぶらぶら歩いていた。

な事を考えながら、また子供の手をひいて暮れの銀座の街をぶらぶらとあてもなく歩いて行った。（大正十一年二月

神田や銀座はもちろん、板橋界隈も探したが、座敷用のランプは見つからない。

震災後、久しぶりで銀座を歩いてみた。

商品だけに注目して見ていると、地震前と同じ銀座のような気もする。

してみると、銀座というものの「内容」は、つまりただ商品と往来の人とだけで

それとも地震前の銀座が、やはり一種のバラック街に過ぎなかったということになるのかも

の停車場の小さいのに驚き、汽車の小さいのに驚き、銀座通りの家屋の低く粗末なのに驚いた。

の水の臭気にあきたので吾妻橋から上がって地下鉄で銀座まで出てニューグランドでお茶をのんだ。

いたら、突然停電で屋上はまっ闇になり、同時に銀座の両側の街燈も消えたが、街壁を飾るネオンサインはみんな平気でともっ

第一相互館の屋上で夜の銀座をながめていたら、突然停電で屋上はまっ闇になり、同時に銀座

楼上で昼飯を食った。すがすがしい好晴の日で食卓から見下ろす銀座方面のながめははればれと明るくいきいきと美しいものであった。一隅の別室から

銀座のオリンピックで食事をしていたら、同じ食卓の向かい側に腰を掛けて

切符をもらったので、久しぶりに上野音楽学校の演奏会を聞きに行った。

それより奥羽線に乗り替え上野に向かう。

上野松坂屋七階食堂の食卓に空席を捜しあてて腰を下ろした。

広い窓のガラス越しに、うららかな好晴の日光を浴びた上野の森をながめたのであった。（昭和五年一月、渋柿）

いつか、上野の音楽会へ、先生と二人で出かけた時に、われわれのすぐ前の席

られた。風が寒かったが日は暖かであった。上野から省線で横浜へ行って山下町の海岸のプロムナードで「汽船のいる風景」

六月九日の日曜に家族連れで上野精養軒の藤棚の下へ昼飯を食いに行った。隣のテーブルにも家族

上野から円タクを雇って深川の清澄公園へ行って見た。アルコウ会という

ある日上野の科学博物館裏を通ったら、隣の帝国学士院の裏庭で大きな白犬の

数年前の早春に、神田の花屋で、ヒアシンスの球根を一つと、チューリップのを五つ六つ

神田や銀座はもちろん、板橋界隈も探したが、座敷用のランプは見つからない

今日神田の三省堂へ立ち寄って、ひやかしているうちに、「性的犯罪考」という

新宿、武蔵野館で、「トルクシブ」というソビエト映画を見た。

新宿の通りへ出て見ると、おりから三越の新築開店の翌日であった

ある日電車で新宿の通りを通過しながら街路をながめていると、両側の人道にほとんど軒並み

自働式に変わると同時に所属局が「小石川」から「大塚」に移り、さらにまた番号がもとより三〇〇〇だけ数を増した。なんだか

去年の秋手賀沼までドライヴしたついでに大利根の新橋まで行ってみた。利根川の河幅はこの橋の上流の所で著しく

の街頭に時ならぬユニフォームの花を咲かせ、夜は品川湾の空に光芒の剣の舞を舞わせた。

晩春の曇り日に、永代橋を東へ渡った。

西洋人が、廣重よりも、いかなる日本人よりも、よりよく隅田川の夏の夜の夢を知っていたということである。（昭和

言問まで行くつもりであったが隅田川の水の臭気にあきたので吾妻橋から上がって地下鉄で銀座まで出て

初夏のある日友人と京橋近くの七階楼上で昼飯を食った。すがすがしい好晴の日で食卓から見下ろす