札幌市 定山渓 北海道 駒ヶ岳 青森市 香港 月寒 ソビエト 五稜郭 武蔵野 鎌倉 エトナ 満洲 岩手山 平泉 札幌 上野公園 青森 仙台 神戸 長崎 上野 東京

ていて、勝負がまだ付いていないという事は札幌市内の外郭を廻っても分る。天孫民族が渡って来た頃の本土の

定山渓も登別もどこも見ず、アイヌにも熊にも逢わないで帰って来

に来ていた頃を想像するのは愉快である。北海道では、今でもまだ人間と動植物が生存競争をやっていて、勝負

の尻尾の部分に過ぎないが、これだけ行ったので北海道の本当の大きさがいくらか正しく頭の中で現実化されたように思う。

北海道の熊は古い古い昔に宗谷海峡を渡って来たであろうと思われるが

紅葉しており、池には白い睡蓮が咲いている。駒ヶ岳は先年の噴火の時に浴びた灰と軽石で新しく化粧されて、触っ

帰路の駒ヶ岳には虹が山腹にかかって焼土を五彩にいろどっていた。函館の連絡

上に石塊を並べてあるのが多い。汽車から見た青森市の家はほとんど皆トタン葺またはコケラ葺の板壁である。いかにも軽そうで

余のタービン船で、なかなか綺麗で堂々としている。青森市の家屋とは著しい対照である。左舷に五秒ごとに閃光を発する平舘燈台

て行く函館の山腹の街の灯は、神戸よりもむしろ香港の夜を想わせる。それがそぼふる秋雨ににじんで、更にしっとりとした情趣

月寒の牧場へ行ったら、羊がみんな此方を向いて珍しそうにまじまじと人の

腕でその幼児を軽々と引っかかえて引込んで行った。ソビエトの幼児が函館の町っ児の感化に染まることを恐れるのであろう。少し下り

のかと思うと、この方が中学校の歴史で教わった五稜郭の戦いに関する感慨よりも更に深くエゴイストの心に触れるものがある。これは

のさま、また朝鮮の一民族が移って来た頃の武蔵野のさまを想像する参考になりそうである。

が極めて小規模な地形であるのは面白いと思われた。鎌倉やまたこの平泉などのこうした地形を見ると、昔の日本の人口の

火山などは一つもないのである。これに反してエトナ、ヴェスヴィオ、ストロンボリ以下多数の火山を有する南欧イタリアの国土には当然にふさわしいシーザー

単調の原野の民には誠に恰好なものであり、満洲や支那の平野に極めてふさわしいものでなければならない。彼等の国には

岩手山は予期以上に立派な愉快な火山である。四辺の温和な山川の中に

当然にふさわしいシーザーが現われファシズムが生れた。今眼前にこの岩手山の実に立派な姿を眺め、その麓に展開する山川の実に美しい多様

平泉の旧跡はなるほど景勝の地である。都市というものの発達するに恰好な

地形であるのは面白いと思われた。鎌倉やまたこの平泉などのこうした地形を見ると、昔の日本の人口の少なかった程度が

札幌まで

〇時半の急行で札幌に向かう。北緯四十一度を越えても稲田の黄熟しているのに驚く。

札幌で五晩泊った。植物園や円山公園や大学構内は美しい。楡やいろいろの

札幌の普通の住家は室内は綺麗でも外観が身萎らしい。土ほこりを浴びた

六日の朝札幌を立った。倶知安で買った弁当の副食物が、物理的には色々ちがった物質

札幌から大勢の警官に見送られて二十人余り背広服の壮漢が同乗した

にも熊にも逢わないで帰って来た。函館から札幌までは赤※の尻尾の部分に過ぎないが、これだけ行ったので北海道

寒い覚悟で行った札幌は暖かすぎて、下手なあぶなっかしい講演をやっていると額に汗ばんだ。

が散歩する事になったのは愉快である。これで札幌の町の十何条二十何丁の長閑さを羨まなくてもすむことに

ていて上がれない。やっと外へ出て見るとそこは上野公園のような処で、自動車やボーイスカウツが群集している。敵の飛行機から

九時四十三分仙台着。一泊。翌朝七時八分青森行に乗る。

が低い雲の底面を撫でてぐるりと廻るのが見える。青森湾口に近づくともう前面に函館の灯が雲に映っているのが見

青森から乗った寝台車の明け方近い夢に、地下室のような処でひどい地震を

九月二十九日。二時半上野発。九時四十三分仙台着。一泊。翌朝七時八分青森行に乗る。

実って、もう刈入れるばかりになっているように見える。昨夜仙台の新聞で欠食児童何百という表題の記事を見て来たばかりの眼

仙台以北は始めての旅だから、例により陸地測量部二十万分の一

。サイレンが鳴ると思ったら眼が覚めた。汽車はもう仙台へ着いていた。

海から近づいて行く函館の山腹の街の灯は、神戸よりもむしろ香港の夜を想わせる。それがそぼふる秋雨ににじんで、更に

、露文字の看板は外にも二つ見付かった。昔長崎を見物した時に見た露文の看板の記憶が甦って来るの

九月二十九日。二時半上野発。九時四十三分仙台着。一泊。翌朝七時八分青森行

のである。昔のこれらの都市の面積と今の東京の面積との比が昔の日本の人口と今の人口との比に

の茂った斜面の上空に鳶が群れ飛んでいた。近年東京ではさっぱり鳶というものを見たことがなかったので異常に珍しく

輿にのせて二人でさげて行くのである。近頃の東京の葬礼自動車ほど悪趣味なものも少ないと思う。そうして、葬儀場は

ように思う。この広大な土地に住む全体の人口は小東京市民のそれより少し多いくらいだそうである。どうも合点の行かないこと

却って朝晩はうすら寒いくらいである。そうして熊の出ない東京には熊より恐ろしいギャングが現われて銀行を襲ったという記事で新聞が

下手なあぶなっかしい講演をやっていると額に汗ばんだ。東京へ帰ってみると却って朝晩はうすら寒いくらいである。そうして熊の出

て東京は再び三百年前の姿に後戻りをした。東京市何区何町の真中に尾花が戦ぎ百舌が鳴き、狐や狸が

市が拡張されて東京は再び三百年前の姿に後戻りをした。東京市何区何町