幕末維新懐古談 15 焼け跡の身惨なはなし / 高村光雲
地名一覧
本所
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いた師匠の妹の夜具蒲団であったので「わざわざ本所まで背負って行ったものの、これは妹に返さねばならない」と、
神田
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ながら行って見ると、師匠の家はない。焼け跡に、神田の塗師重の兄弟と、ほかに三人ばかり手伝いがボオンヤリと立っている
蔵前
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て実に酷い目に逢いやした。逃げようといって、蔵前の方へも逃げられず、並木へと行けど、それも駄目なり。
方へ出したためです。急に西風に変ったために蔵前の家々は残りました。ちょうど、黒船町の御厩河岸で火は止まりました
何しろ、今度の火事は変な火事で、蔵前の人々は、家が残って荷物が焼けました。これは、荷物を
浅草
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かくて、浅草は落寞たる年の瀬を越し、淋しい初春を迎えたことであった。