京都

何故かと云うと、この二三年、京都には、地震とか辻風とか火事とか饑饉とか云う災がつづい

暇を出された。前にも書いたように、当時京都の町は一通りならず衰微していた。今この下人が、永年、

して、それから、大儀そうに立上った。夕冷えのする京都は、もう火桶が欲しいほどの寒さである。風は門の柱と