本郷 丸善 鎌倉 田端 上野 東京 新橋 飯田橋

、序に琳琅閣へよって、古本をひやかして、やっと本郷の久米の所へ行った。すると南町へ行って、留守だと云うから

ところが飯を食って、本郷の歯医者へ行ったら、いきなり奥歯を一本ぬかれたのには驚いた。

に、また気が変ったから今度は須田町で乗換えて、丸善へ行った。行って見ると狆を引張った妙な異人の女が、ジェコブ

どこかで見たようだと思ったら、四五日前に鎌倉で泳いでいるのを見かけたのである。あんな崔嵬たる段鼻は日本人にも

田端日記

時頃うちを飛び出した。動坂から電車に乗って、上野で乗換えて、序に琳琅閣へよって、古本をひやかして、やっと本郷

丁寧に挨拶していた。大方この段鼻も涼しいので東京へ出て来たのだろう。

た。八重子も是非一しょに行けと云う、これは僕が新橋の芸者なるものを見た事がないから、その序に見せてやろうと

になって読んでいると、うっかりしている間に、飯田橋の乗換えを乗越して新見附まで行ってしまった。車掌にそう云うのも