続芭蕉雑記 / 芥川竜之介
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江戸
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ゐる。――彼は不義をして伊賀を出奔し、江戸へ来て遊里などへ出入しながら、いつか近代的(当代の)大詩人に
伊賀
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てゐると信じてゐる。――彼は不義をして伊賀を出奔し、江戸へ来て遊里などへ出入しながら、いつか近代的(当代
最後に彼を生んだ伊賀の国は「伊賀焼」の陶器を生んだ国だつた。かう云ふ一国の芸術的
のに或は力のあつたことであらう。僕はいつか伊賀の香合に図々しくも枯淡な芭蕉を感じた。禅坊主は度たび褒める代りに貶す
伝はつてゐるかも知れない。が、生活的には伊賀のやうに山の多い信濃の大詩人、一茶に伝はつたばかりだつた。