峨眉山

「いかにもおれは峨眉山に棲んでゐる、鉄冠子といふ仙人だ。始めお前の顔を見た時

からな。――が、兎も角もまづおれと一しよに、峨眉山の奥へ来て見るが好い。おお、幸、ここに竹杖が一本落ちて

大空へ舞ひ上つて、晴れ渡つた春の夕空を峨眉山の方角へ飛んで行きました。

二人を乗せた青竹は、間もなく峨眉山へ舞ひ下りました。

、それから絶え間ない稲妻の光、――暫くはさすがの峨眉山も、覆るかと思ふ位でしたが、その内に耳をもつんざく程、大きな

「こら、その方は一体何物だ。この峨眉山といふ山は、天地開闢の昔から、おれが住居をしてゐる所だぞ

て、一突きに杜子春を突き殺しました。さうして峨眉山もどよむ程、からからと高く笑ひながら、どこともなく消えてしまひました。勿論

「こら、その方は何の為に、峨眉山の上へ坐つてゐた？」

「こら、その方は何のために、峨眉山の上に坐つてゐたか、まつすぐに白状しなければ、今度はその方

月、絶え間ない人や車の波、――すべてがまだ峨眉山へ、行かない前と同じことです。