大菩薩峠 25 みちりやの巻 / 中里介山
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「甲州の、上野原でございます」
「ははあ、上野原ですか」
「上野原で、月見寺とお聞きになれば、すぐわかります」
「上野原のお寺の娘よ」
甲州の上野原でも
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の者があって、武州から大菩薩を越え、この裂石の雲峰寺へ一泊を求めた時に、雲衲が集まっての炉辺の物語――
雲峰寺の炉辺で、雲衲たちに、武者修行がこの物語をすると、雲衲
と一句、壮士が深く沈黙した時分、雲峰寺の夜もいとど深きを覚えました。
おそらく、過日の武者修行が、裂石の雲峰寺で、炉辺の物語の種としたのは、途中、このお松の蛇の目
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、食事を済ましてしまいました。そうして、無事に浅間の宿を立ち出で、松本の市中に入ると間もなく、兵馬は、仏頂
、早朝から御機嫌よく帰るところを見ると、その到着先は浅間の宿にきまっている。いいことをした。出立が、もう少し遅れようもの
「あら、あなたは、あの浅間のあのお客様じゃなくって、まあ、この間は失礼致しました」
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近代について見ると、狩野家にはもとより、円山、四条にもすぐれた美人かきはいないようだ。何といっても、美人画は
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もいるかも知れない――そのほか、それに準じて館山の方からも、造船所方面からも、相当に人の出入りがあるべきはず。
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でいないことはありませんでした。そのうちには江戸で指折りの先生も、ずいぶんお見えになっていたのですから、本当の
「おれは朝暗いうちから江戸へ馬をひいて通ったが、ただの一ぺんでも馬に乗ったこと
「失脚落チ来ル江戸ノ城、井底ノ痴蛙ハ憂慮ニ過ギ、天辺ノ大月高明ヲ欠
けだし、この連中は、かねての目的通り、江戸の城中へ火をつけに行ったものに相違ない。そうして今夜の瀬踏み
町の薩摩屋敷に、志士或いは無頼の徒を集めて、江戸及び関東方面を乱暴させ、幕府を怒らせて、事を起すの名を
いや一橋中納言の家中には、駿府から江戸へ来て、吉原で遊び、その足で駿府に帰る奴がある、という
信州の戸隠山から、一本歯の足駄で、平気で江戸まで休まずにやって来る者がある、という。
江戸の女の持つ情味というものは、小さな挿絵一つにも漂わぬという
いうことはない。芳年以後に、巧拙はとにかく、あれだけ江戸の女の情味というものを含ませた絵をかき得るものはない。この
そんなことをして、江戸にいながら、薩摩の屋敷へ武器を売込んだりなどすれば、江戸の方に
いながら、薩摩の屋敷へ武器を売込んだりなどすれば、江戸の方に恨まれて、ヒドイ目に逢うぞ……と、七兵衛がオドか
御用をつとめているようなものの、これが、薩摩が江戸から追っ払われて、江戸の風向きがよくなれば、よろこんで江戸へお味方を
なものの、これが、薩摩が江戸から追っ払われて、江戸の風向きがよくなれば、よろこんで江戸へお味方をして、御用に
から追っ払われて、江戸の風向きがよくなれば、よろこんで江戸へお味方をして、御用にありつくまでのことさ……と忠作は
……そこがつまり、一種の機略だろう……大びらに西郷江戸に来るとなれば、江戸の天地が、安政の大地震以上に震動するかも
の機略だろう……大びらに西郷江戸に来るとなれば、江戸の天地が、安政の大地震以上に震動するかも知れない……ははあ、薩摩
ない……ははあ、薩摩の陪臣一人が出て来ると、江戸の天地が、安政の地震以上にゆれるとは大仰だ……西郷という男
それほど価値のあるものか知らとの疑いを起し、最近、江戸へ書物材料を集めに行った機会に、料理書とおぼしいものを二巻ばかり
聞いていると、松太郎という江戸生れの芸者が、昨晩、急に姿を隠してしまったということ。
その言うところによると、松太郎は江戸の生れで、この地へつれて来られたのは二三年前であった
逃げたのではあるまい、土地がイヤになって、江戸が恋しくなったのだろうという想像。
の顔が見てやりたい、土地の者じゃあるまい、江戸の色男だろう――と、指をくわえる者もある。
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ハハハハと高笑いをして、富士山を征服したというから、おらあはあ、富士の山を押削って地ならしを
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ここは塩山を去ること三里、大菩薩峠のふもとなる裂石の雲峰寺でもその噂であります。
。小河内から小菅まで三里、小菅からまた三里余の大菩薩峠を越えて、あの美しい萱戸の長尾を通って、姫の井というところ
ざる所で、ひょっこりとお松の出現に驚き、それを大菩薩峠の上に移して、話に花を咲かせたと見れば見られないこと
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よく人の話では、薩摩に西郷という男があって、それが手下の者をけしかけ、この四国町
「お前が……その鉄砲と、刀を、薩摩のお屋敷へ売込もうというのか――?」
日本が二つにわかれるというのは、要するに徳川と薩摩との喧嘩であって、東の方は徳川のもの、西の諸大名は
、東の方は徳川のもの、西の諸大名はたいてい薩摩に肩を持つ。
そんなことをして、江戸にいながら、薩摩の屋敷へ武器を売込んだりなどすれば、江戸の方に恨まれて、ヒドイ
は文句はないはず、今、逆縁のようなわけで、薩摩の家に取入ることができて、刀剣と、鉄砲との、買入れ方をたのま
刀剣と、鉄砲との、買入れ方をたのまれたから、薩摩の御用をつとめているようなものの、これが、薩摩が江戸から追っ払われ
薩摩の御用をつとめているようなものの、これが、薩摩が江戸から追っ払われて、江戸の風向きがよくなれば、よろこんで江戸へお
安政の大地震以上に震動するかも知れない……ははあ、薩摩の陪臣一人が出て来ると、江戸の天地が、安政の地震以上にゆれる
ほどエライ男かい、あれも人気者じゃないかな……薩摩というものを背負って、大舞台を睨んでいるその形に呑まれて、
、人気ほどの英雄じゃあるまい――長州の大村、同じ薩摩でも大久保あたりの方が、実力はズンと上だといっている……
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間には、離るべからざる関係があって、大和の三輪山あたりは、山そのものが神社になっているあたりから説き出して、修験道も
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「江戸城の、大奥の間取りを見て来るといって出かけたはずだが、多分、
、敷金と家賃をたしかめに行くのとは違い、いやしくも江戸城の大奥の間取りを、ちょっと見て、ちょっと帰って来る、というようなこと
それから、丑三の頃、大胆至極にも、江戸城の一の御門の塀を乗越して潜入した、一つの黒い影が
ておいたに相違ない。あらかじめ神尾主膳あたりの手から、江戸城内の秘密図といったようなものを手に入れておいて、要所要所
これは物とりに江戸城へ入り込んだのではない。他に重大なる目的あって来たのだ。
江戸城へ火をつけるつもりで、あの連中は忍び込んだのだな――なるほど、かんなくず
昨夜、七兵衛はあれから、江戸城内のどこまで忍び込んで、どこを出て来たかわからないが、夜が
けれども、このことから七兵衛は、江戸城の大奥の間取りを見て来てくれ、なんぞとたのまれたことを思い出した
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「甲州の、上野原でございます」
甲州の上野原でも
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立山も乗鞍も
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富士の山と、八ヶ岳とが、大昔、競争をはじめたことがある。
富士は、八ヶ岳よりも高いと言い、八ヶ岳は、富士に負けないと言う。
きょう、富士が一尺伸びると、あすは八ヶ岳が一尺伸びている。
富士も、八ヶ岳も、その競争に力瘤を入れながら、同時に、無制限が無意味を意味すること
その姿を見かけると、富士と、八ヶ岳とが、諸声で大菩薩に呼びかけて言うことには、
八ヶ岳が言う。
冗談でしょう――わたしの姿は東海の海にうつるが、八ヶ岳なんて、どこにも影がないじゃないか」
後ろ姿を見送って、富士は歯がみをしたが及ばない。八ヶ岳が勝ち誇って乱舞しているのを見ると、カッとしてのぼせ上り、
といって、足をあげて八ヶ岳の頭を蹴飛ばすと、不意を喰った八ヶ岳の、首から上がケシ飛んで
足をあげて八ヶ岳の頭を蹴飛ばすと、不意を喰った八ヶ岳の、首から上がケシ飛んでしまった。
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笠ヶ岳も錫杖も
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「信濃国温泉案内」
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「もう少し詳しくお話し申しましょう。ある年、この藤江老人は加賀の白山に登りましたが、途中で暴風雨にあい、一週間、山中の
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桓武天皇の御代、巍石鬼という鬼が有明山に登って、その山腹なる中房山に温泉の湧くのを発見し、ここぞ
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「関東で清太いもというのがこれです、ところによって甲州いもだの、朝鮮
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出しました。一つがほえると、次から次へ、根岸の里の犬が総ぼえの体になって、寝ていた人を
この時の七兵衛は、根岸の化物屋敷を出た時のいでたちとは全く違い、笠も、合羽も、
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いや一橋中納言の家中には、駿府から江戸へ来て、吉原で遊び、その足で駿府に帰る奴がある、
、駿府から江戸へ来て、吉原で遊び、その足で駿府に帰る奴がある、という者がある。
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。天神様はあの通りのいいお方でしょう、それでさえ筑紫へ流されたじゃありませんか、時平公の讒言で……」
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精悍な面魂をして、多田嘉助が睨み曲げたという松本城の天守閣を横に睨み、
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「なるほど、まるで岡山の金光様みたようだ」
備前岡山の金光様は……と、それから右の老農が、附近の
眇たる田舎の神主によってはじめられた、備前岡山の黒住教もその一つであります。
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その当時、長崎から渡って来たばかりのマッチは貴い。
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大正年間、生存の美人画家……芳年系統の鏑木清方、京都の上村松園、いずれも腕はたしかで、美しい人を描くには描くが
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二人の相談によると、急に長野方面に立つことになったらしい。
長野へ行くといって木曾へ行くか、上田へ廻るか、知れたもので
こうして仏頂寺、丸山らは、煙の如く長野へ向けて立ってしまい、宇津木兵馬は、アルプス方面の懐ろへ向って参入
ただふさがっているのが三つあって、その一つは長野あたりの夫婦者と、もう一つは松本辺の御隠居らしいのとで
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の英雄じゃあるまい――長州の大村、同じ薩摩でも大久保あたりの方が、実力はズンと上だといっている……
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毎日、あの沼へ引きつけられて参ります。そうして離れ小岩の、絹糸のような藻のあるところ、御存じでしょう、最初にあたしが
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、あなたもよく御存じの、わたしがここへ来る前に、巣鴨の庚申塚で殺された、わたしにとっては大好きな親違いの姉で
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神田鎌倉河岸の豊島屋の「樽転」から出た鬼熊は、何代目と