大菩薩峠 08 白根山の巻 / 中里介山
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、それから身延鰍沢、信州境から郡内、萩原入から秩父の方まで、よく出ておりますな。中へ入れば、これでずいぶん広い
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先生もあれほどおっしゃるのに、山道は大好きだとか、身延山へぜひ御参詣をしたいとかおっしゃって、わざわざこんなところへおいでなさる。いや
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いま会った山崎譲の話では、関東も関西も鼎のわくような騒ぎ、四海の中が浮くか沈むかという時勢で
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を率いて乱を起した、それやこれやで拙者は関東と京都の間を飛び廻っている、ことに甲州の山の中にめざす者が
いま会った山崎譲の話では、関東も関西も鼎のわくような騒ぎ、四海の中が浮くか沈むかという
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は新撰組の一人で山崎譲という男、かつて竜之助が逢坂山で田中新兵衛と果し合いをした時に、香取流の棒を振って仲裁に
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「これは十津川でやられた。京都から引返して来るときに、伊賀の上野で天誅組の
組の壮士というのに捉まり、それと一緒になって十津川へ後戻り、山の中で煙硝の煙に吹かれてこうなってしまった」
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「あのおばさんが、江戸へ連れて行ってくれると言ったから、江戸へ行ってしまうんだ、こんな
さんが、江戸へ連れて行ってくれると言ったから、江戸へ行ってしまうんだ、こんな山の中では出世ができない、いくら黄金
「それから忠作さん、お前は江戸へ出たい出たいと言っていましたね」
気の毒だけれど、あの人をああして置いて、二人で江戸へ行ってしまいましょうよ」
「それではおばさん、これを持って行こう、きっと江戸へつれてっておくれ、江戸へ行ったらこの黄金を売っておばさんにもお礼
、これを持って行こう、きっと江戸へつれてっておくれ、江戸へ行ったらこの黄金を売っておばさんにもお礼をするから」
「江戸はいいところだろうな、人の話に聞いたばかりで、早く行って見たい
この場合に、江戸へ行きたがっていた少年の心をお絹が心あって焚きつけるので、
ないことが何よりの苦痛と見えて、もとのように江戸の真中で馬鹿遊びをするようなことができないで、時時折助を引っぱって
権六というのは折助の名、これは江戸から附いて来た渡り者の折助であります。
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「筑波山の騒ぎとは?」
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ことは決してないのです。大塩平八郎の余党の中には甲州へ落ちたものが少なからずある、その中の幾人かは、この山の
「それなら皆さん、駿河へ帰るも甲州へ入るも人家までは同じぐらいの道程、いっそ甲州へ入ることに致しましょう」
帰るも甲州へ入るも人家までは同じぐらいの道程、いっそ甲州へ入ることに致しましょう」
は、岩淵から富士川に沿うて上ることであります。甲州へ入ると、富士川をさしはさんで二つの関があります。向って右
「甲府を追放されたものが甲州へ入るとは、ちと受取りがたい」
にお書きなすったものでございますね。私なんぞはこの甲州を通ることが幾度あるか知れませんが、まだ絵図面を取ってみようという
ずいぶん広いところもありますけれど、こうして見れば本当に甲州は山ばかりでございますな」
「この甲州という国は、昔から金が出る国なんだよ」
「これからがこっちの世界と出る、へん、甲州ばかりは日が照らねえ、入墨がどうしたと言うんだ、これから御新造
「甲州は四方山の国、思いにつけぬ人が隠れているそうじゃ。そんなことは
隠れているそうじゃ。そんなことはどうでもよいが、甲州といえば、わしが生国はその隣り。ここへ来ると、わしもどうやら
甲州出る時ゃ涙で出たが
今じゃ甲州の風もいや
で拙者は関東と京都の間を飛び廻っている、ことに甲州の山の中にめざす者があって、ここへ来たわけじゃ」
「同じ甲州でござんすけれども、ここからはだいぶ離れておりまして、萩原領の八幡
「甲州は金のあるところだ」
金蔵へ手を出せとは言わない、御金蔵のほかに甲州で金のあるところを、権六、貴様は知ってるだろう」
じゃないか、誰が取ってもさしさわりのない金がこの甲州にはウントあるのだ、言って聞かすまでもなく、その金は山の中
空しゅうしているというのはこのことではないか、甲州という金の出る国に来ていながら、おたがいにこうして面を
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奈良田の皇居ということは国史以外の秘説であります。
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「あれはさびしい花であるが、風情のある花で、武蔵野の広々したところを夕方歩くとハラハラと袖にかかる、わしはあの花が
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「是より甲斐国巨摩郡……
、この道標の蔭からいずれへ逃げてよいかわからない。甲斐国巨摩郡と書いた方へ出れば右を斬られる、駿河国庵原郡と書い
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は十津川でやられた。京都から引返して来るときに、伊賀の上野で天誅組の壮士というのに捉まり、それと一緒になって十津川
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といって、甲州者で悪いことをしたのが、甲府の牢屋へつながれて追い出される時に、この入墨をされるのじゃわ
「手首と臂の間に二筋、あれこそ甲府の牢を追放しにされる時に、やられたものに違いございませ
「甲府を追放されたものが甲州へ入るとは、ちと受取りがたい」
「そんなことを言ってる時ではありません、甲府まで逃げれば知った人もありますから、後はまたなんとでもなります
なかったけれども、先を急ぐ山崎は若干の見舞金と、甲府の勤番へ宛てての竜之助の身の上依頼状などを認めておいて、その
故郷へ帰るように、道中の不便があらば、知合いの甲府の勤番に頼んでやると親切に言ったが、竜之助はなんとも別
旗本の神尾主膳はお預けから、とうとう甲府勝手に遷されてしまって、まだ若いのに、もう浮む瀬もない地位
「それもこのごろでは張合いがないわい、甲府の女どもにまで懐都合を見透かされるような強もてで、騒いで
どこにしましても、あるところにはありますな、甲府も御城内の御金蔵へ参れば唸るほどお金もございましょうけれど、そりゃある
待ち兼ねているところへ、花嫁は帰らないで、不意に甲府勤番の侍が二人、数人の従者を引連れてやって来ました。
めぼしい物にはことごとく封印をつけた上に、若主人を甲府まで同道するから、急いで仕度をしろということで一同が青くなりまし
「甲府のお役人様は元湯へお泊りなされた」
待て、この間、山崎が書いて行ってくれた手紙、甲府の勤番へ宛てての紹介状があったはず、あれを出して見せてくれ
広いところを三間も打払って、甲府勤番の役人が詰めています。役人二人は床の間を背にして大
厳かに言い渡しているのは意外にも先日、甲府の旗亭で、神尾主膳と酒を飲んでいた折助の権六でありまし
人を陥れなければならなくなったとは浅ましいことです。甲府勤番に落ちたことは、どうも仕方がないけれど、折助を使用して
へ印をつけた山崎はもっと太った男であった。甲府へ来た時の山崎はあんな士風ではなく、易者のような恰好を
はない、結構なものを手に入れた。近いうちに甲府へ行って献上しようと思うていたところへ、貴殿がここへおいで
「いかにも珍らしい槍、頂戴して甲府へのみやげにしたい」
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「昔、奈良の帝様がおうつりになったところで、それから奈良田と申します、
「奈良の帝? 左様なお方がこんなところへおいでになる由もなかろう
「そうではござんせぬ、奈良の帝様が、たしかにその地へお移りになったということで
「女の帝……奈良朝で女の帝に在すのは」
「奈良七重……奈良朝は七代の御代ということだが、そのなかで女の帝様
「奈良七重……奈良朝は七代の御代ということだが、そのなか
お徳は、やはり奈良の帝がこの土地へおうつりになったという伝説をそのままに受入れ
とは弓削道鏡のことであるとの一説、ただに奈良の帝と伝えられている一説、また明らさまに人皇第四十六代孝謙天皇と
なく、幾多の古書にも誌されてあるので、その奈良王とは弓削道鏡のことであるとの一説、ただに奈良の帝
奈良王この地に御遷座ありしという伝説は、ここにお徳の口から
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「これは十津川でやられた。京都から引返して来るときに、伊賀の上野で天誅組の壮士というのに
て乱を起した、それやこれやで拙者は関東と京都の間を飛び廻っている、ことに甲州の山の中にめざす者があっ
「うっかり出ると巻添えを食う。いや、京都あたりではこの手で浪人者にひっかかって、女房や娘を奪われたり
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「それにまた一方では、拙者の郷里水戸の地方に筑波山の騒ぎが起ってな」
「それも知らないのか。水戸の家老武田耕雲斎が、天狗党というのを率いて乱を起した、
お武家がこれへお見えになりました。お名前は水戸の山崎譲と申せばおわかりになると申しますのでございます」
、その威権のありたけを示しているところへ、不意に水戸の人、山崎譲というものが尋ねて来たと聞いて少しく狼狽し
「ナニ、水戸の人で、山崎なにがし?」
「水戸の山崎……お前は知っているか」
見えた藤崎周水という易者がよ、あれが実は水戸の人で山崎譲という人だ」
にしているが本当は易者じゃねえんだ、もとは水戸の士よ。御三家の侍だから、こちとらとは格が違わあ。それ
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でやられた。京都から引返して来るときに、伊賀の上野で天誅組の壮士というのに捉まり、それと一緒になって十津川へ