大菩薩峠 07 東海道の巻 / 中里介山
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幸いに晴れていて、富士も見えれば愛鷹も見える。伊豆の岬、三保の松原、手に取るようでありますが、七兵衛は海道第一の
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――それは与兵衛の骨折りもあるが、お豊の実家亀山は相当の家であったから、事情を聞いてそれとなく万事の世話を
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それから浜松へ来るまでは別条がありませんでした。
浜松へ入って、ふと気がつくと、いつのまにかムク犬がいないの
んでしたが、尋ぬる術もありませんから、一人で浜松の城下へ入りました。浜松は井上河内守六万石の城下。
ありませんから、一人で浜松の城下へ入りました。浜松は井上河内守六万石の城下。
お絹の仕えた神尾の先殿様の墓はこの浜松の西来院にあって、そうしてこの浜松の城下はお絹の故郷で
墓はこの浜松の西来院にあって、そうしてこの浜松の城下はお絹の故郷でありました。
てみると、どうも淋しいこと、御覧の通り。ここは浜松も城下を西北に外れておりまして、わけてこの近所はお寺が多いもの
「なるほど、浜松までエエと」
「浜松まで、これからざっと二十里でございますな」
に毒を吹っかけたのだ。さあ、日のあるうちに浜松泊り、それからゆっくり天竜へ逆戻りをして一仕事」
横目に睨んで浜松の町へ入る。
こんなことを言いながら浜松の町を真直ぐに通って、
牛に曳かれて浜松まで来た七兵衛。さて数えてみれば、薩※峠の前を別にし
どこから来たか西の方から来て、浜松の町を歩んで行く一人の子供がありました。
のだが、それに合格するのがついに見出せないで、浜松の城下をほとんど通りつくしてしまいました。
広いようで狭い浜松の町はここで尽きて、米友の身は馬込川の板橋の上に立っ
「おやおや、あれは浜松の酒屋のお妾さんだが、どうして信心ごころが起ったろう、大へんに
のか、竜之助がお絹をたよるのか。お絹は浜松へ引込んでしまおうかと思ったのを、ふと、竜之助が来たので、
覘ったのは昨日や今日の話じゃあございません、浜松の大米屋以来のことで。私の方は初手からの他人だが、七兵衛
机竜之助と共に、七里の渡しを渡って熱田から浜松のとっつきまでついて来たムク犬であります。浜松でムクを失った机竜之助
熱田から浜松のとっつきまでついて来たムク犬であります。浜松でムクを失った机竜之助は、そこでお絹という女を得て、
た時にムクが行って助けたように、俺らも浜松のこっちの方で危ないところを坊さんに助けられて、それから一緒に歩い
「浜松で、お近づきになったのでございます」
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思っていますところへ、ようござんすか、いま申しました大島流の槍の一筋――先生の背後から楯も透れと――あたしはもう、
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「伊勢の国から来て、江戸の下谷の長者町の道庵先生というところまで行くんだが、たびたびこんな目に会ってぶん
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て、それからは足が動かず、ちょうど見つけたのが八幡の森。その森蔭で休もうとすると、小さいながら人一人を容れて余りある
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「江戸へ八十六里二十丁、京へ三十六里半と書いてあるな」
「江戸へ帰ろうと思う」
「それでは、こちらに御逗留なさいませ、わたしも江戸へ帰ろうか、それともこちらで暮そうかと考えているところでございます」
「そうなさいまし……江戸から来てみると、どうも淋しいこと、御覧の通り。ここは浜松も城下
「京と江戸とのちょうどあそこが真中で、ドチラへも六十里というところよ」
奉行様であったかな、その周防守のお邸が江戸にあって残っているのは女ばかり、そこへ附け込んだ鼠小僧、女
「伊勢の国から来て、江戸の下谷の長者町の道庵先生というところまで行くんだが、たびたびこんな目
が悪いんですからね。この片足でお前様、東海道を江戸まで、ひょこひょこ歩いて行こうというんですからね。不具者だから世間が不憫
のを、ふと、竜之助が来たので、また一緒に江戸へ出ることになったらしい。竜之助もまたお絹によって、難儀なるべき
またお絹によって、難儀なるべき道中をともかくも心安く江戸へ下ることができるというものらしい。
から卸してもらいとうございます、とても船でわたしの身体は江戸まで持ちそうもありませぬ、こんな身体をしてお世話をかけては皆様
へ出てやろう、今いうお世話になったお医者様が江戸にいるのだから、それを頼ってお江戸へ行くことにきめて、こう
欲しければ取るがよかろう。しかしあの女は、感心に拙者を江戸まで送ってくれようという女だから、向うで捨てぬ限りは、こちらでも
があるならば幸いのこと、これからあの女を連れて江戸まで下ってもらいたいのじゃ」
「何とおっしゃいます、わっしにあの御新造様をお江戸までお連れ申せとおっしゃるのでございますか。そうしてあなた様は?」
ではないか、それだによってあの女を連れて江戸へ行くことがなんで不人情だ」
、これからわっしどもも先生と御新造のお伴をして、江戸まで参りましょう、道中ずいぶん忠義を尽しますぜ」
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の先から興津、蒲原、田子の浦々。その正面には富士山が雪の衣をかぶって立っています。
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桑名から宮まで七里の渡し。犬は竜之助の傍へつききりで、竜之助が舟
が竜之助を慕うのか、竜之助が犬を愛するのか、桑名の城下、他生の縁で犬と人とに好みが出来ました。この二
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米友は思案しながら松並木を歩き出して、天神町の立場から畷道を、宿になりそうなところもがなと見廻しながら行くと
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「そういうわけじゃねえ、府中の宿屋でこの槍を捻くっているとね、亭主が来て見て、お前
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先生がおいでなさると思うから、一人であんな淋しいところを湯島まで帰る気になったのでございます」
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「松平周防守というのは大阪のお奉行様であったかな、その周防守のお邸が江戸にあっ
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庵原村の無住同様な法華寺。竜之助を乗せた馬の轡を取ったがんりきの
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「俺は甲州からやって参りました」
の中へ伸びている、左の方は薩※峠から甲州の方へ山が続いている。前は清水港、檣柱の先から興津、
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人々から同情されたり侮蔑されたりしながら、米友は伊勢の国から、ともかくもここまで、その一本足で歩いて来たものであります
伊勢を出る時から頭が上らなかったのが、遠州灘へ来ると、もう死人の
それでも通り過ぐる途端の印象で思い起したのは、伊勢の大湊の船大工与兵衛の宅で会った盲目の武士、幽霊のような冷たい人
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そこで小半時も暇をつぶしたが、今度は久能山道を駿府へ出て、駿府から一里半、鞠子の宿もさっさと素通りをして上
をつぶしたが、今度は久能山道を駿府へ出て、駿府から一里半、鞠子の宿もさっさと素通りをして上へ上へとのぼっ
日数いくつか重ねて駿府の町へ入りました。お君は駿府の二丁目を流して歩くと案外
いくつか重ねて駿府の町へ入りました。お君は駿府の二丁目を流して歩くと案外にも多くの収入がありましたから、
駿府の町を出る時に、お君は人にたずねてみました。
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本道を行かずに久能山へ廻って、一の鳥居に近いところで駕籠を卸すのを見定めた七兵衛が
久能山の鳥居の前で、
行かずに久能山道というのへおいでなさい、左様、久能山の下まで二里、それから清水港まで一里半もあるかね、通し
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「伊勢の国から来て、江戸の下谷の長者町の道庵先生というところまで行くんだが、たびたびこんな目に
たのでございましょう、伴をつれずに、たった一人で下谷の御徒町の方へお帰りになったのでございますよ」
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でございましょう、伴をつれずに、たった一人で下谷の御徒町の方へお帰りになったのでございますよ」
「御徒町の道場へな」
「そこで槍を投げ捨てて、御徒町へ行けと駕籠屋へ言いつけたままで、垂を上げて駕籠の中へ身