大菩薩峠 12 伯耆の安綱の巻 / 中里介山
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「大神宮様あっての伊勢でございますから、あの通りはたいそう賑やかでございます、その賑やかなところで、
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て脅しといて斬る奴なんぞもあるんだ。なんでも薩摩の奴がいけねえんだそうだ、薩摩っぽうが天誅をやりやがるんだ。
。なんでも薩摩の奴がいけねえんだそうだ、薩摩っぽうが天誅をやりやがるんだ。ナーニ、名前は天誅でその実は泥棒を
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童子切というのがあるそうじゃ、これは源頼光が大江山で酒呑童子を斬った名刀、その刀がすなわち伯耆の安綱作ということだ
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いうところから黒駒の名がある。その他、鳳凰山、駒ヶ岳あたりも馬の産地から起った名であります。御勅使川の北の方
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面の色、例の切れの長い眼の縁には、十津川で受けた煙硝のあとがこころもち残っているけれども、伏目になっている時
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ては立派なる一つの儀式としてありました。江戸の幕府では腰物奉行から町奉行の手を経て、例の山田朝右衛門が
辻斬というやつは甲府に限ったことはねえんだ、江戸へ行ってみねえ、このごろはあっちこっちでずいぶん流行っていらあ」
「甲府へはまだ流行って来ねえけれども、江戸でも天誅というやつが流行り出してるのだ。天誅というのは、金持
「俺も久しいこと江戸へ行って見ねえが、江戸の市中もそんなに物騒なのかい」
「俺も久しいこと江戸へ行って見ねえが、江戸の市中もそんなに物騒なのかい」
「江戸へ行って見ねえ、つまり徳川の政が末なんだね」
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甲州の上古は馬の名産地であります。聖徳太子の愛馬が出たというところ
だからと言って、ばかにしちゃいけねえ、今時、甲州でこんなうめえ目刺が食えるわけのものじゃねえ、ほかの国ならばどんな魚で
ほかの国ならばどんな魚でも食えるんだけれど、この甲州という山国へ来ては、たとえ、目刺にしてみたところが容易な
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へ来たものと見えます。そうして昨晩はどこか甲府の城下へ宿を取っていたものでしょう。
「それはこの甲府のお城を預かって、勤番のお侍をお差図なさるお方」
「それではあの、甲府のお城の殿様でございますね」
「この甲府には大名はないけれど、あの御支配様が同じお勤めをなさいます」
この前後のこと、甲府の町うちにおりおり辻斬があります。
この屋敷は甲府を離るること半里、躑躅ヶ崎の古城跡にある荒れた屋敷であります。そう
「このごろは甲府の市中が物騒でな、我々とても油断しては歩けぬ」
心当りがない、しかし斬り手は非常な腕だ、それで甲府の上下、身の毛を慄立てているが、困ったものじゃ」
して神尾主膳はこの古屋敷を出て行きました。甲府から半里、駕籠にも乗物にも乗らずに来て、玄関には草履
であるか知らないけれども、向って行くところは、やはり甲府の方面であります。
松の木や荊が生い茂っている。神尾主膳が本通りを甲府へ帰りついた時分に、大泉寺の鐘が九ツを打ちました。その
その晩、甲府八幡宮の茶所で大欠伸をしているのは宇治山田の米友であります
だ、その間を生肴が通う時は半日一晩で甲府へ着くから大したものじゃねえか。その半日一晩で着いた生肴の
に来ていなかったんだ。この辻斬というやつは甲府に限ったことはねえんだ、江戸へ行ってみねえ、このごろはあっちこっち
「甲府へはまだ流行って来ねえけれども、江戸でも天誅というやつが流行り
「それに比べりゃあ、甲府なんぞは無事なものさ、一人や二人の辻斬は、どうも仕方がなかろう
甲府の城は平城ではあるけれど、濠も深く、櫓も高く、そうし
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「十日ばかり前の晩にこの松山の向うで一人殺られたんだ、そいつが殺られた時は俺ら