大菩薩峠 02 鈴鹿山の巻 / 中里介山
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、ちっとはいいかい。医者に診ておもらいよ、長者町の道庵さんに診ておもらい。なあに、道庵先生なら心配はないよ
様のお邸がある、そのお邸の横の方が長者町だからね、あの辺へ行って道庵先生と聞けば子供でも知って
「これは道庵先生というて、長者町のお医者さんじゃ」
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伊勢の国鈴鹿峠の坂の下からこっちへ二里半、有名な関の地蔵が六大
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「わたしが出るまでは番町の親戚におりました」
ではないが……いささか心がかりになる。今もその番町の親戚とやらにおるか、折もあらば聞き届けておくがよい」
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そうなのも道理、この屋台店の主婦というのが、本郷の山岡屋の内儀のお滝が成れの果でありました。
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伝いに氷川へ落ち、そこの炭焼小屋で夜を明かし、上野原の親戚をそっと欺いて旅費を借りて、それで二人が甲州街道を江戸へ下っ
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下さい、お雪さまはもう勤めにお出なされたか、島原は何という家で、それはお母様も御承知のことか」
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坂の下へ着いた時分には、坂も曇れば鈴鹿も曇る、はたしてポツリポツリと涙雨です。
竜之助が立ち止まって天を仰いだ時は、鈴鹿の山も関の雄山も一帯に夜と雨とに包まれて、行手に鬱蒼と
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の大通りを、それ、大きな油屋があるでしょう、あの辺が相生町というのだから、その相生町の角を真直ぐに向うへ行ってごらん、小笠原
があるでしょう、あの辺が相生町というのだから、その相生町の角を真直ぐに向うへ行ってごらん、小笠原様のお邸がある、その
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それで二人が神楽坂のところまで来ると、紙屑買いは足が痛い痛いと言い出す。どうやらおれ
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「へえ、亀山から一里半の丁場でござい」
「無理とはどっちの言うことだ御新造、いったいお前様は亀山のどこからおいでなされた、お前様の駕籠に乗り方があんまりあわただしいから
亀山へ帰ると言うて出たお豊は、しばらくするとなぜか戻って来まし
たものか、その翌朝は二挺の駕籠を並べて、亀山へは帰らずに、ちょうど竜之助が大津へ着いた頃、男女は鈴鹿峠の頂
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をそっと欺いて旅費を借りて、それで二人が甲州街道を江戸へ下った時、やはりこの袷を着ていたのであります。
は京都の島原であること、わざわざ京都へ売ったのは江戸では事の発覚を怖れたからで、折よく京都の方から買手が来
であろう、七兵衛がその気で歩き出した時は、朝江戸を出て、その夜は京都の土を踏むことであろう。
「江戸から帰ったのかい」
江戸へ百六里二丁
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ば、わたしの家へ来てくれないか、ついそこの佐久間町にいるんだから」
この伯母さんに引張られて、二人は佐久間町の裏へ来て見ると、八軒長屋の、こっちから三つ目の家。
与八はその金を懐にして佐久間町の裏店へ帰って来て、
紙に包んで道庵先生の頭のところに置いて、佐久間町の裏長屋へ帰って来ました。
与八が佐久間町の裏長屋へ帰って来て見ますと、お滝の家も自分たちのいる
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を乗せたのは、この宿では滅多に見かけないが桑名から参宮の道あたりへかけてはかなりに知られた黒坂という悪でした
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「あのね、四谷の方とか言ってましたよ、また近いうちに御挨拶に出ますって
「四谷のどこへ引越したんべえ」
わからないが、二月ほど前にあの子を、わたしが四谷の神尾様という旗本のお邸へ御奉公に上げましたところが、その
「四谷の神尾様というのは、あの伝馬町の神尾主膳様のことでございます
「それなら私も四谷の方へ参りますから、御一緒にお伴をしながら、山岡屋没落の一
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そこへ銚子を持って来たお浜が、
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に慣れないものですから、道を反対に取違えてしまって小石川の水戸殿の邸前へ出てしまったのです。
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「浜、甲州は山国なれば、さだめて雪も積ることであろう」
ずに残っていることが思い出の種。和田へ来るとき甲州の姉が贈ってくれたこの袷。自分はいい気になって、ずいぶん姉
「甲州へ帰りましょう」
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御成門外で人の足音、増上寺の鐘。
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は曇らず、それを見ていると過ぎにし年の大菩薩峠の悲劇がありありと思い出されるのです。こうして短刀を眺めながら、ひとりつくづく
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ないものですから、道を反対に取違えてしまって小石川の水戸殿の邸前へ出てしまったのです。
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「浜、わしも近々京都の方へ行こうと思う」
「京都の方へ?」
「京都へは諸国の浪人者が集まり乱暴を致す故、その警護のためにとて
竜之助が不意に京都へ行くと言い出したので、お浜は驚いて、力を極めてそれ
「兵馬を斬つて後、拙者は予ての手筈の通り京都へ立退き申すべく……」
ば必ず兵馬を斬ることに自分できめ、兵馬を斬れば京都へ飛ぶその手筈まで整うていたものと見えます。それほどの覚悟が
「京都へ売られて行ってます。痛い!」
は江戸では事の発覚を怖れたからで、折よく京都の方から買手が来ていたので話が纏まったものだという
たこと、その売渡し先は京都の島原であること、わざわざ京都へ売ったのは江戸では事の発覚を怖れたからで、折よく
お松を人買いの手に売り渡したこと、その売渡し先は京都の島原であること、わざわざ京都へ売ったのは江戸では事の発覚
歩き出した時は、朝江戸を出て、その夜は京都の土を踏むことであろう。
京都へ売られたものならば、七兵衛の足は直ぐに京都へ飛ぶであろう、七兵衛がその気で歩き出した時は、朝江戸を
お松がはたして京都へ売られたものならば、七兵衛の足は直ぐに京都へ飛ぶであろう
であるとすれば、宇津木兵馬の追って行くところもまた京都でなければならぬ。
それとは関係なく、机竜之助が落ち行く先もまた京都であるとすれば、宇津木兵馬の追って行くところもまた京都でなければ
近藤、土方ら、新徴組が数を尽して向うところも京都警護の役目である。
机竜之助はともかくも、京都をめざしてここまで落ちて来たものです。
この若い男の語るところによれば、男は京都の者で女は亀山、二人は親戚の間柄で、一緒に伊勢参宮を
「では、わしに京都へ帰れと言うの」
「やと言うて、わしはもう京都へは帰られぬ」
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駕籠を並べて、亀山へは帰らずに、ちょうど竜之助が大津へ着いた頃、男女は鈴鹿峠の頂を越えたものでありました。
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口からその名前を聞く。また近藤勇という人も、八王子の天然理心流の家元へ養子になった有名な荒武者であって、これ
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お茶の水あたりへ来た時に与八はやっと気がついて、
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ツさがりの陽を背に浴びて、神田の御成街道を上野の方へと歩いて行きます。小笠原左京太夫の邸の角まで来ると
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、机竜之助は七ツさがりの陽を背に浴びて、神田の御成街道を上野の方へと歩いて行きます。小笠原左京太夫の邸
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ですから東の空は白み渡っていました。神明から浜松町へかけての通り、お浜の駈けて行く後ろ影。
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御成門外で人の足音、増上寺の鐘。
今の絶叫を聞咎めたのは、御成門外で駕籠を捨てた宇津木兵馬の一行です。
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「私は新宿の方へ行きますが」
「新宿に」
「新宿の方だね」
「たしかに新宿の方角だ、早く行こう」