兵隊の宿 / 上司小剣

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地名一覧

河内

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、夢のやうにフラ/\と、二人で用もない河内の國を彷徨つて、落ちつきの惡い田舍町の商人宿で一夜を明かした

博多

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コートを脱いで、お召の着物に黒縮緬の羽織、博多の帶の間に金鎖を煌めかしたまゝ、長火鉢の側まで出て來た。

名古屋

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披いて見ると、今朝小池が東京から乘つた特別急行列車は、名古屋の近くまで來てゐるらしく、名古屋着が四、〇八となつてゐる。自分

から乘つた特別急行列車は、名古屋の近くまで來てゐるらしく、名古屋着が四、〇八となつてゐる。自分も三四年前に一度乘つた

左に、夕日の輝く金の鯱を右に眺めて、名古屋のステーシヨンに近づいて來る汽車の窓に凭りかゝつてゐる小池の姿

梅田

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一昨年の秋、ゆくりなくも梅田のステーシヨンの薄暗い待合室で、鞄の荷札から手がゝりが付いて、

着は夜の八時二十五分、來られるなら其の時刻に梅田のステーシヨンへ來て、去年の薄暗い待合室で待つてゐて下さい。」

「どんなに都合をしても、六日には屹と梅田で待つて居ります。だましては厭やですよ。」と、小説本で

なし、六日の午後八時二十五分に自分の姿が梅田の何處にも見えぬからとて、其のまゝ鳩の使のやうに歸つて了

人に手紙でも持たして、梅田のステーシヨンへ遣らうにも、お梅を始め村の人々は皆旦那の隱

あのシヨールを纏うて、今夜の八時二十五分に小池を梅田のステーシヨンに迎へようと思つてゐたのである。それが爲に羽織

大阪

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タバコ呑んだら何うやな。キセロと煙草入れわしが一つ大阪で買うて來てやるがな。」

「明後日郡參事會へ行くさかいな、大阪へ※はつて煙草入れ買うて來てやる。」なぞと切羽詰つたやうに

「小池はんちう人はえらいんだすな、東京や大阪の新聞に、しよつちう名が出てまんがな。」なぞと、店へ

それも氣の置けぬ大阪の知り合ひの許へ送つて、其處から弟の手で表書をして、男

、小池からは返事が來た。……氣の置けぬ大阪の知り合ひの許へ※はつて、知り合ひの名で村の郵便局に知れないやう

へ入つて、内部から掛金をかけて披いて見ると、大阪の知り合ひが、「御馳走さま」と東京語に大きく書いた包み紙の中から、

一里南を通る汽車の笛がよく聞えた。久し振りで大阪の午砲も、船場邊で聞くよりはハツキリと響いた。其の時直ぐに店

「六日の朝の急行で立つ、大阪着は夜の八時二十五分、來られるなら其の時刻に梅田のステーシヨンへ

走り書きした例のハートの透かしのある小池の手紙が、大阪の知り合ひから例の手續きで自分の手に渡されたのは、一

を、自分も近頃使ひ始めたペンで書いて、直ぐ大阪の知り合ひの方へ送つておくと、一昨々日の朝また知り合ひの取り次ぎ

、村までお歸りなされては都合あしく候につき、大阪までおこし下されたく、ぜひ/\お目にかゝつてお話し申した上、私

を拜した上、いろ/\申上げます。ぜひ/\大阪まで御越しのほど願ひ上げ候。――」といふやうな手紙は、去年

ぬ。それに動かされて、小池は到頭一年振りに大阪まで來ることになつたのであらう。

六日には是非大阪へ買物に行かねばならぬ。其の日は四里南の海邊の町の

は何うにもならぬ。今から中二日では、大阪の知り合ひを經て、七日か八日に延ばして下さいといふことを小池

來る時刻である。大垣から米原、大津、京都、それから大阪。八時二十五分までには三時間あまりしかない。小池はだん/\自分

し目付のやうなもので、少しも氣が許せぬ。大阪の知り合ひへは眞逆そんな新造のやうな用事を頼まれもせねば、

にバラ/\と下りて來る光景が想像される。「大阪ツ、……大阪ツ、……八分間停車ツ」と叫びつゝ、急がし氣

京都

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汽車が大垣へ來る時刻である。大垣から米原、大津、京都、それから大阪。八時二十五分までには三時間あまりしかない。小池

大津

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小池の汽車が大垣へ來る時刻である。大垣から米原、大津、京都、それから大阪。八時二十五分までには三時間あまりしかない

神戸

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。猪之介は急いで、納戸に近い上り口にあつた旦那の神戸下駄を持つて來て、此方の上り口に揃へた。旦那は下駄を突

山形

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側まで出て來た。店頭には何時の間にか山形に日の丸の高張提灯が輝いてゐる。其の高張提灯の傍で兵隊の通る

東京

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今は東京に住んで、三四年に一度づゝすら村へは歸つて來ない小池と

東京に展覽會なぞが開かれて、小池の描いた畫の評判が新聞や

「小池はんちう人はえらいんだすな、東京や大阪の新聞に、しよつちう名が出てまんがな。」なぞと

の五郎作といふ馬鹿息子が、小池の後を追うて東京へ行つて、小池にたよらうとして跳ね付けられ、角力になつて

のが流行りまんのや。……時計の鎖かて、東京あたりから來やはる人見なはれ、白味の勝つた金の細い粹なの

何んでも東京や、そないに東京が好いのんなら、東京へいたらえゝ。……わしは在所もんや、在所にゐて百里

「お前は何んでも東京や、そないに東京が好いのんなら、東京へいたらえゝ。……わしは在所もんや、

「お前は何んでも東京や、そないに東京が好いのんなら、東京へいたらえゝ。……わし

幼馴染といふ強い糸に操られてゐるのであらうか。東京の美術家といふ名に壓されてゐるのであらうか。自分ながらに

/″\に囃し立てる村の評判が、何うしたはずみに東京まで聞えぬものでもあるまいと、旦那の隙を見て書いた長

披いて見ると、大阪の知り合ひが、「御馳走さま」と東京語に大きく書いた包み紙の中から、例もの西洋風の状袋に、ペン

取り寄せた旅行案内を出して披いて見ると、今朝小池が東京から乘つた特別急行列車は、名古屋の近くまで來てゐるらしく、名古屋着が四

は厭やですよ。」と、小説本で覺えた東京語の返事を、自分も近頃使ひ始めたペンで書いて、直ぐ大阪

美しい女が掃いて棄てるほどありさうな東京から、小池が遙々と自分のやうなものに引つ張られて來るの