鷹尾山 但馬 大阪 江戸 六甲山 京都

鷹尾山法華三昧寺多田院と言つても、本殿と拜殿とは神社風で、兩部に

同心を貰つたのだ。詰まり各々は今日から、この但馬の貰ひ物だ。貰ひ物だから、活かさうと殺さうと但馬の勝手だ。

の貰ひ物だ。貰ひ物だから、活かさうと殺さうと但馬の勝手だ。其處をよく辨へて、正しく働いて貰ひたい。爪の垢

が、しかしこれほどだとは思はなかつた。お蔭で但馬、歌舞伎役者の座頭にでもなつたやうな氣がする。』と、ひどい

昔、大阪の町奉行に荒尾但馬守といふ人があつたさうです。それとほゞ時代を

『其方は江戸に歸りたいか。』

『あゝもういゝ、行け／＼。‥‥江戸はもう山王祭だなう、また賑かなことだらう。』

いふ言葉の戲れ遊びは、厭でございます。總じて江戸は人間の調子が輕うて、言葉も下にござります。下品な言葉の上

ことを言ふのが、好きでたまらないのであつた。江戸から新らしく此の町奉行として來任してから丁度五ヶ月、見るもの、聞くもの

。死刑は連日行はれた。彼れが月番の時は、江戸なら淺右衞門ともいふべき首斬り役の刃に、血を塗らぬ日と

『玄竹、‥‥三日の道中で江戸へ歸る工夫はないか。』

渡船へ、天滿與力は肩をいからして乘つた。六甲山に沈まうとする西日が、きら／＼と彼れの兩刀の目貫を光らしてゐ

て來た。玄竹は町醫であるけれども、夙に京都の方へ手を廻して、嵯峨御所御抱への資格を取り、醫道修業