剣の四君子 05 小野忠明 / 吉川英治
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神子上家は、世々、神宮のおまもりをしている伊勢の神職荒木田家に属す神苑衛士の家だったが、典膳がもの心づいた頃
ていたのだった。津、松坂などの町々はもちろん伊勢は部落の方まで一円に黒煙をあげていた。
「もう一ぺん、伊勢へ」
この念はやまなかった。伊勢にはまだ戦争がある気がする。そして夥しい武芸者の往来もあるような心地
「……いやいや世の中は変ったろう。伊勢へ行っても、今は知る辺もないし」
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と、兵庫が立ちかけるのを、忠明は、いやと抑しとどめて、
「兵庫は、控えて、傍らより見学いたしておれ」
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か、伊藤一刀斎は、旅籠で病みついてしまった。そこへ駿府から徳川家の重臣が、彼の足跡をたずねて追って来た。
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姉川の合戦のときだ。旗本奥平九八郎が、敵の名だたる者の首二級を獲
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べしじゃ。信長もついに達人でない。剣道から観るに、本能寺の一夜は、まったく信長の油断にすぎん。一失の油断は、何から
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山崎の合戦、賤ヶ嶽、小牧の役、世潮はしぶきをあげて移り変ってゆく。しかもこの師弟のあるく道
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やがて今度帰陣のうえは、いちどぜひ急加斎を伴れて浜松へ見えよ」
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、その前の神子上時代のことか、定かでないが、薩摩に一話を残している。
彼が、薩摩へ行くと、その著名を聞いて、土地の瀬戸口備前なる剣家が、
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守の門流を汲み、神陰流の奥秘に達して、さらに三河国奥山明神に参籠して、自己の哲理を発明し、以後みずから称えて「奥山
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してからまる九年め、師弟は九州を一巡し、四国を経、船で駿河につき、しばらくの後、江戸へはいって来た。
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「今日、但馬どのから、お求めをうけたのは、こちらの御子息や御門下の太刀
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秀忠の居府となすべく、その大改築にあたり、江戸城には近頃、駿府から家康も来てさしずしているという。
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、四国を経、船で駿河につき、しばらくの後、江戸へはいって来た。
いま江戸は、開府創市の機運にあい、どこもかしこも埋立てるやら屋敷や町家をたてる
「江戸の埃は、馬糞臭うてたまらん。安房の海辺へでもゆこうか」
「さらば今日が、師弟のわかれと相成った。そちは江戸へ戻って、北条殿を訪れよ。委細何事も、安房どのがお心得ある。
典膳が独り江戸に出たとき、噂を聞いて、柳生家を訪ね、その不敵を怒る但馬
二代の江戸将軍家たる秀忠は、家康以上、剣磨の行には熱心だった。当時ようやく
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典膳が師事してからまる九年め、師弟は九州を一巡し、四国を経、船で駿河につき、しばらくの後、江戸へ
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同時に、名も改めて、次郎右衛門忠明と名のり、神田もちの木坂に、邸及び道場を賜わり、受禄三百石ぐらいであった。
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を辱めて帰ったという如き――またそれを聞いた大久保彦左衛門が、急遽登城して、将軍秀忠に、忠明を推薦したという
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また、両国橋の畔に、飛入り剣術の小屋掛があった。見物人のうちに交じってい