無宿人国記 / 吉川英治
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と本所から上野介の身を夜陰、そこに移して、秘密の上にも、秘密を
その非を覚って、兵部の諫めどおり、また上野介を、本所の彼自身の邸に戻した。だが、兵部の心は、それだけに
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八郎の家の附近をうろついていた。丈八郎は、米沢城の乾門番士、禄は、高々百石たらずである。夜勤交代で一
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一瞬の間に、居合した七人ばかりの――それも江戸ではかなり有名な林崎や、ごろ剣客を、ばたばたっと一人も余さず、たたっ
と、ふだんは考えられる江戸にも、さてとなって、求めると、実に、その人がない。
「――風の便りに、江戸にいるとは聞いていたが」
せた狂言で、うまく国許をずらかってから、彼女は、江戸で女師匠、俺は、持ったが病の博奕、酒。……四年
「ふーむ、そうか。じゃあお里は、江戸で貴公と暮していたのか」
ねえ。話が、不調とあれば、首にして、江戸へ連れて帰るだけの事。――貴公たちは、先へ、発足して
自分と逃げて、江戸で終ったお里は一番娘であった。そのお里に、まるで、生写し
反撥のある、妙に強気な、江戸の女を知ってから、お里に、不足を覚えたように、そのお
―それもこれも、一角のつけ智恵で、ほんとは、江戸へ行って一緒に暮しているうち、一角に、殺されたのです」
と、心機の一転を啓発されて、江戸を、立った頃は、もう底まで行ったやくざ者と、自分の堕落を
。実は、貴公たちが、発足して後、わしも江戸の親戚に急用が出来てな」
「金なんか……。江戸へゆけば、思案の上で、どうにかなるでしょう。路銀さえあれば」
(金なのだ。俺がいま欲しいのは。――江戸へゆけば、兇状だらけ。千坂の屋敷以外には、身のおき所もね
だが、足は、この日光街道は、まっ直ぐに、中仙道から江戸へ向いている――
「あんな事をいって。江戸へでしょう。そして、私には、お里姉さんのように、江戸唄のお師匠
江戸らしい。どうしても。
花車、シャンギリの音が――そして空には赤とんぼが、江戸の秋を染めている澄んだ日だった。
丈八。俺こそ、貴様の首がぜひとも入用だ。江戸への、米沢土産に、てめえの首をぶら下げてゆけば、ちと、閾は
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と、数えながら、一角は、笠のつばを上げて、板谷峠の上に立った。
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あぶら蝉、みんみん蝉、日光山がジイ――ッと啼いているようだ。
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、永い御湯治で。――てまえが、仙台から、会津福島の花客を、ぐるりっと、一廻りして来ても、まだ御滞在
「は、は、は、は。それからまだ――福島から来ていた後家殿を何して」
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「足かけ二月、永い御湯治で。――てまえが、仙台から、会津福島の花客を、ぐるりっと、一廻りして来ても
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帰ってくる途中で打つかったが、何か、一本槍に、宇都宮街道の方へ、急いで行ったぜ」
「え、宇都宮の方へ。――そうですか、いや大きに」
できいた話には、その一角は、たった今ほど、宇都宮の方へ行ったというのだ。――お前は女の足、わし
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急き立てて、たッたと駈けだした。そして、真っすぐに浜町の千坂家の下屋敷へ。