宮本武蔵 02 地の巻 / 吉川英治
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に入って、希先和尚に帰戒をさずけられ、山城の大徳寺からきた碩学について、京都や奈良に遊び、妙心寺の愚堂和尚とか
寺の住持にあげられたり、また、勅命をうけて、大徳寺の座主におされたこともあるんだそうですが、大徳寺は、たった
の座主におされたこともあるんだそうですが、大徳寺は、たった三日いたきりで飛びだしてしまい、その後、豊臣秀頼さまだ
とは、妙心寺の茶会からの懇意、大坂表でも、大徳寺でも、度々お目にかかっているんだよ」
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と、大江山の鬼でも見たように生唾をのんだ。
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などはない門だった。入ってゆくと、よく伸びた萩の中に、母屋の口は戸閉されてあった。
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「――それから、和泉の南宗寺の住持にあげられたり、また、勅命をうけて、大徳寺の座主におさ
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――また鳥取から姫路へ出る者、但馬から山越えで備前へ往来する旅人など、この山中の一町には、かなり諸国
である。三年か四年目には、寺へ泊る但馬の国の雲水で、三十歳ぐらいな若い禅坊主なのだ、胸毛のはえた肌
但馬の国生れの宗彭沢庵と名のるこの若い禅坊主には、ふさぎ性のお通も、この
「但馬の出石村の生れで十歳で沙弥になり、十四歳で臨済の勝福
も心配することはない、村の迷惑を払い、因幡、但馬、播磨、備前の四州にわたる街道の不安をのぞき、その上、幾多の
日名倉の木戸に何のために立っているのか。但馬、因州、作州、播磨四ヵ国にわたる往来と国境とを、こうして、
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午すぎになっても、まだ低い密雲を解かなかった。そして伊吹山の背や、美濃の連山を去来するその黒い迷雲から時々、サアーッと四
ふた晩も、伊吹山の谷間の湿地にかくれて、生栗だの草だのを喰べていた
、家のまわりにうろついていた野馬の背にとび乗って伊吹山の裾野を乗りまわしている武蔵のすがたが、遥かに、小さく見えた。
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「――それから、和泉の南宗寺の住持にあげられたり、また、勅命をうけて、大徳寺の
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ここを下れば、もう播州の龍野から斑鳩へもほど近い。
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しかしその沢庵は、武蔵の処置をしてから姫路藩の家来たちと何か客間で膝詰めの相談事をしていた。里へ
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大聖寺の鐘が鳴る。
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朱実にもすすめて、草の中へ腰をおろした。伊吹の沢の一軒が、松の間を透かして、下に見える傾斜にある
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「それがしは、戦の後、姫路城の抑えに参った徳川方の者だが、主命をおびて、播州境
姫路城から国境の目付に来ているその武士は大きくうなずいた。
隙間からのぞき見して惑っているうちに、張り込んでいた姫路城の武士たちに見つかってしまい、言葉もひとつ交わさぬうち、姉の邸
をさげている。ふとあおぐと、武蔵には覚えのある姫路城の武士なのだ。部下や村の者に山狩をさせたり、夜昼
と思うなら、これから、蕎麦粉でも土産に持って、姫路城の輝政殿を、ぶらりと、訪ねて行ってもよろしい。――だが
がゆるさぬ、と役人側では断じていう。もっとも、姫路城まで伺いを出して許可のうえなら格別だが、それでは先に通っ
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「あっ、福島の隊だ」
「すると、この辺は一昨日、浮田方と東軍の福島と、小早川の軍と敵の井伊や本多勢と、乱軍になって戦っ
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――また鳥取から姫路へ出る者、但馬から山越えで備前へ往来する旅人など、この山中
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、山城の大徳寺からきた碩学について、京都や奈良に遊び、妙心寺の愚堂和尚とか泉南の一凍禅師とかに教えを
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さずけられ、山城の大徳寺からきた碩学について、京都や奈良に遊び、妙心寺の愚堂和尚とか泉南の一凍禅師とかに